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コスモエネルギーHD、ユーロ円建て「薄グリーン」転換社債600億円発行へ。過半の490億円をグループの風力発電事業に充当(RIEF)

2018-11-22 21:29:04

Cosmoキャプチャ

 

 コスモエネルギーホールディングスは、ユーロ円建て新株予約権付社債(転換社債:CB)を600億円分、発行し、その過半を風力発電事業の建設に充当すると公表した。コスモグループは傘下に風力発電の大手エコ・パワーを抱えており、同社の風力発電事業に発行額の8割強の約490億円を充当する。

 

 再生エネルギー事業支援の「グリーンボンド」に類似するが、発行体が化石燃料事業者であることと、残りの資金使途が自前の石油化学事業に充当することで、「薄いグリーン」という感じか。

 

 発行するCBは利息が付かないゼロクーポン債。通常の普通社債に比べて、利息が付かない分、資金調達コストを低く抑えられる。株式への転換を促す条項を設けており、株式転換が進むことで発行体は元本の返済額が減るが、既存株主は株数増加で希薄化が進む。このため、CB発行を公表した翌日の21日の株式市場では終値ベースで604円(18%)安の2801円と下落した。

 

 CBの払込日はロンドン時間で12月5日、償還期限は2022年12月5日。シンガポール証券取引所に上場する予定。共同ブックランナーと共同引受主幹事は、みずほインターナショナル、モルガンスタンレー・インターナショナル、SMBC日興キャピタルマーケットが担当する。販売先は欧州、アジアの海外投資家を対象とする。

 

 同グループのエコ・パワーは、1996年に第一号の風力発電所を山形県で稼働させて以来、これまでに国内各地に162基、総発電量226MWを開発している。2014年にコスモグループの傘下に入った。同グループは、風力発電事業を、脱化石燃料の動きを踏まえた「成長分野の一つ」と位置付けている。

 

 同社は今回の資金調達のうち、本業の石油化学事業への充当分約110億円については、「石油精製と石油化学との留分の相互融通等によるシナジー強化および省エネや保全費削減等による競 争力強化、ならびに高付加価値製品の拡充を目的として活用する」と説明している。

 

https://ceh.cosmo-oil.co.jp/press/p_181119/pdf/181119_1.pdf

https://www.eco-power.co.jp/business/