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「パリは今日も燃えている」--。フランスの「黄色いジャケット」抗議、4週連続で展開。マクロン政権の燃料税引上げ断念も効果なく、市民は「マクロン辞任」を求める(各紙)

2018-12-09 09:58:14

 

  各紙の報道によると、フランスのマクロン政権が打ち出した燃料税増税に端を発する政権への抗議行動が、4週目の週末8日もフランス全土で展開された。マクロン政権は燃料税増税断念を打ち出したが、市民の不満は収まらず、市民たちは「マクロン、辞任せよ!」と政権交代を求めている。

 

 蛍光の黄色いベストを着る抗議運動「黄色いベスト」デモは8日朝(日本時間同日夕)から仏全土で始まった。パリ中心部のシャンゼリゼ通りでは約1500人が練り歩いた。仏内務省によると、8日のデモにはパリ市内だけで約1万人、全国で約12万5000人が参加。各地で繰り広げられた衝突で、警官17人を含む合計135人が負傷した。

 

France17キャプチャ

 

 仏政府は治安部隊8万9000人と装甲車12台を配置し、警戒に当たった。パリ市内では、エッフェル塔やルーブル美術館などの主要な観光施設、百貨店が軒並み臨時休業した。地下鉄駅も34駅が閉鎖された。

 

 パリ郊外や各地では、市民らが道路を閉鎖して抗議の意思を示し、交通混乱が続いた。ただ、パリ市内での治安当局との激突とは別に、多くの地方では、抗議に加わった市民が警戒に当たる警官らを労う場面もあった。

 

france18キャプチャ

 

 仏当局は、危険行為を伴う「違法なデモ」を実施したなどとして、パリなどで同日夕刻までに1385人が取り調べを受け、974人が拘束されている。治安部隊がデモ隊との衝突で、催涙弾が撃ち込まれたり、ゴム弾でデモ隊側にけが人が出ているとの情報もある。

 

 毎週末続く市民の抗議行動を受けて、マクロン政権は5日、予定した燃料税引き上げを2019年は実施しないと決め、デモ沈静化を図った。だが抗議は燃料税だけでなく、貧富の格差が拡大する中で、「温暖化対策」を口実としながら産業界優先の政策展開をするマクロン政権に不満を持つ人々に拡大している。

 

france19キャプチャ

 

 世界中の注目を集めているフランス市民の政権への反発に、思わぬ反応も出た。パリ協定からの離脱を決めている米国のトランプ大統領が8日、ツィッターで、「(フランス人は)環境を守るために発展途上国などに多額のお金を払いたくないのだろう」と投稿した。フランス国民の反発への賛同と受け止められているが、環境派からは困惑の声も出ている。

http://rief-jp.org/ct4/84694

http://rief-jp.org/ct8/84863

http://rief-jp.org/ct4/85085?ctid=71

http://rief-jp.org/ct4/85245?ctid=71