HOME4.市場・運用 |三菱商事・UBS系の「産業ファンド投資法人」、東京・大田区の「シェアファクトリー」に初の「UNEP FIポジティブインパクト金融原則」適合の匿名組合出資(RIEF) |

三菱商事・UBS系の「産業ファンド投資法人」、東京・大田区の「シェアファクトリー」に初の「UNEP FIポジティブインパクト金融原則」適合の匿名組合出資(RIEF)

2019-01-15 17:11:06

IIJ1キャプチャ

 

 三菱商事・ユービーエス・リアルティ(MCUBS)が運用する産業ファンド投資法人(IIF)は、日本政策投資銀行(DBJ)が中心となって東京・大田区に設立される「工場アパート(シェア・ファクトリー)」への出資(匿名組合出資)を決めた。同アパートは大田区が借り受けて、地域のモノづくり企業約20社に転貸している。同投資に対しては、国連環境計画(UNEP)金融イニシアティブ(FI)が提唱する「ポジティブ・インパクト金融原則」に基づく外部評価を日本で初めて取得した。

 

 (写真は、出資する「シェア・ファクトリー」(東京・大田区)

 

 MUCBが投資した「シェア・ファクトリー」は、大田区の中小製造業の工場が多く集積する「OTAテクノCORE」(大田区東糀谷6丁目)。4階建て、8359㎡の広さを持つ。同物件を対象とした特別目的会社(SPC)の合同会社インダストリアル・アセット・ホールディングス6号に対するファイナンスとして、匿名組合出資で1億円を投じる。出資は2024年2月末までの期限で、IIFは同期限を行使期限とする物件取得の優先交渉権を得ている。同交渉権ではSPCの取得価格より低い44.9億円の価格が設定されている。

 

 SPCに対しては匿名組合出資のほか、DBJがシニアのノンリコースローンを22億円、興銀リースがメザニンのノンリコースローン12億円をそれぞれ提供する。匿名組合出資の想定配当利回りは7.6%。

 

 IIF2キャプチャ

 

 同物件は、屋上に太陽光発電を設置しているほか、区内のメーカーが開発した「光ダクト」から自然光を取り入れて、照明に利用するなどの省エネ対応も進んでいる。大田区が物件全体を20年契約で借り受け、地元の中小企業支援のために転貸している。このためIIFはESG投資のうち、特にS(社会)に貢献する取り組みと位置づけている。

 

 同物件の匿名組合出資でのファイナンスについては、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の第8(働きがいも経済成長も)、第9(産業と社会革新の基盤をつくろう)、第11(すみ続けられるまちづくりを)、第 17(パートナーシップで目標を達成しよう)の各目標に整合する。また、UNEPFIの「ポジティブインパクト金融原則」に適合する、との外部評価を、CSRデザイン環境投資顧問会社から取得している。国内の金融活動で、同原則への適合評価を得たのは今回が初めて。

 

 IIF3キャプチャ

 

 UNEP FIの原則は2017年1月にUNEP FIと金融機関が中心になって制定したESG投融資促進のための共通原則。①インパクトの明確化②市場水準かつサステナブルなリターン③インパクトの測定④追加的ファイナンス/インパクトの影響、の4つの投資目的への整合性を定めている。

 

http://www.iif-reit.com/upd3/irpr_news/pdf/xjs8535C359651852C26.pdf

http://www.iif-reit.com/upd3/irpr_news/pdf/xjs7745C35968822AD03.pdf

http://www.iif-reit.com/upd3/irpr_news/pdf/ir1765C35A098DB1879.pdf