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2018年の太陽光発電関連業者の倒産、過去最多の95件。5年連続で前年比増を更新。帝国データバンク調査(RIEF)

2019-01-13 18:38:14

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 帝国データバンクの調査によると、2018年の太陽光発電関連事業者の倒産件数は過去最多の95件に達した。前年比で8.0%増。倒産件数が前年を上回るのは5年連続となった。ただ、負債総額は240億1300万円で前年比20.6%減で、過去3番目の水準だった。中規模事業者の倒産が増えていることを物語る。

 

 調査の対象事業者は、①太陽光発電システム販売や設置工事、また太陽光パネル製造やコンサ ルティングなど関連事業を主業としている事業者②本業は別にあるが、従業として太陽光関連 事業を手がける事業者、の両方を含む。

 

  2006年からの13年間では、倒産件数が383件、負債総額が1360億円となった。2018年の上半期(1~6月)の倒産件数は前年同期比12.0%減の44件で、2017年下半期(7~12月)の13.6%減に続く2ケタ減少だったことから、倒産の増加は底打ちしたとの見方も出ていた。しかし、2018年下期に上期を上回る過去最多の51件を記録、年間でも過去最高件数を更新した。

 

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 太陽光発電事業者の倒産が相次ぐのは、経済産業省が実施する固定価格買取制度を更新(FIT)の相次ぐ制度変更で、買い取り価格の引き下げが毎年続くほか、入札制度の導入などや、既存電力網への接続料負担等の影響で、資本力の乏しい中堅・中小事業者が行き詰まる状況が続いているためとみられる。

 

 18年の倒産理由の内訳は、破産が88件、特別清算が3件、民事再生法が4件。地域別では関東の33件が例年通りで最も多く、中部が22件、近畿が17件と続いた。関東での2006年からの倒産件数は全体の3分の1(36.5%)を占める140件に達した。

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 18年で負債総額がもっとも多い倒産は、9月に倒産した長野県の「かぶちゃんメガソーラー」の28億5200万円で歴代7位。 次いで10月のQuantmu Japan(東京)の14億5400万円だった。過去最大の倒産規模は2016年の日本ロジテック協同組合(東京)の162億8200万円。

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p190103.pdf