HOME4.市場・運用 |トヨタファイナンス、グリーンボンドの発行を延期。債券市場の利回り低下で、投資家の反応鈍化を予想。発行時期は未定(RIEF) |

トヨタファイナンス、グリーンボンドの発行を延期。債券市場の利回り低下で、投資家の反応鈍化を予想。発行時期は未定(RIEF)

2019-01-16 12:25:51

toyota1キャプチャ

 

  各紙の報道によると、トヨタ自動車グループのトヨタファイナンス(名古屋市)は今月中に予定していたグリーンボンドの発行を来月以降に延期するという。長期金利の低下によって、市場が低迷していることが原因。低利回りでは、十分な投資家が集まらないと判断したという。グリーンボンドはグローバル市場でも昨年は前年比ほぼ横ばいにとどまるなど、足踏み感が出ている。

 

 現時点では、新たな発行時期は未定とされる。同社は昨年12月5日に期間5年のグリーンボンドを100億~200億円規模で発行することを決めていた。すでに、格付投資情報センター(R&I)から債券格付けでダブルAプラス、「グリーンボンドアセスメント」で最上位の「GA1」の予備格付けを取得している。

 

 資金使途は、環境負荷の低いハイブリッド車や、プラグインハイブリッド、燃料電池車などの販売の際の、融資・クレジット、リース資金等や、トヨタ車の販売店向け融資などに充当する予定。

 

 しかし、昨年末から世界経済の先行き不透明感が高まり、グローバル資金がより安全な先進国債券に向かい、それに連動して日本の長期金利も低下傾向となっている。このため、低い金利水準では投資家が集まらない可能性が強まっている。予定では今月18日に条件決定を決めるはずだったが、発行延期とした。

 

 同社は「金融環境が安定し、投資家と企業の双方が納得できるタイミングで発行したい」としている。発行の延期は同社の資金調達計画の修正等ではなく、市場環境に基づくものであるため、今後の、市場の回復状況を踏まえて対応することになる。ボンドの主幹事は、三菱UFJモルガンスタンレー証券、野村證券、みずほ証券の3社。

 

https://www.toyota-finance.co.jp/index.php