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オリエントコーポレーションも、グリーンボンドの発行延期へ。債券市場の環境悪化続く。トヨタファイナンスに続く(RIEF)

2019-01-31 16:48:31

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 クレジット・カード業務の大手、オリエントコーポレーションは、先に公表していたグリーンボンドの発行を延期すると発表した。債券市場の利回り低下で、投資家需要が落ち込んでいることを配慮した。市場環境の悪化で、グリーンボンド発行を延期する事例は、トヨタファイナンスも1月中ばに、発行延期を決めている。

 

 オリコが計画していたグリーンボンドの発行額は50億円、期間5年債。資金使途は、同社が手掛ける太陽光発電やエコキュート等の省エネ設備を、家庭等に導入するリフォームローンに活用する予定だった。すでにグリーンボンドの適格性では、日本格付研究所(JCR)のグリーンボンド評価で最上位評価の「Green1」の予備評価を取得し、引受主幹事はみずほ証券と野村證券となっていた。http://rief-jp.org/ct4/85969

 

  しかし、超金利の低下によって、円建て債券の利回りが低下、投資家にとって投資魅力が下がっているため、トヨタファイナンスに続いて、発行見送りを決断した。オリコは「昨今の金利及び起債環境等を踏まえ、発行を延期することにした」とコメントしている。

 先に発行を延期したトヨタファイナンスは、100億~200億円規模で期間5年のボンドを1月中に発行する予定だった。同社のボンドは、格付投資情報センター(R&I)から債券格付けでダブルAプラス、「グリーンボンドアセスメント」で最上位の「GA1」の予備格付けを取得していた。http://rief-jp.org/ct4/86269

 

 オリコは延期したグリーンボンドの発行時期について「現在未定」としている。グリーンボンドは、「グリーン性」を投資家にアピールしているものの、市場環境の悪化を理由として発行が見送られるのは、ボンドの基本的事項として一定の利回りが見込めないと、投資家がついてこないことを示している。金融商品としてのグリーンボンドの評価を改めて確認する形でもある。

 

 日本でのグリーンボンド発行(公募債)は2018年は33件と、件数ベースでは前年の9件から大幅に増えた。発行額も前年比約8割増の4848億円と5000億円に迫っている。2019年も発行の増加が見込まれているが、市場環境の悪化が長期化するようだと、盛り上がった「グリーンボンドブーム」もしぼんでしまう可能性もある。http://rief-jp.org/ct1/85945?ctid=69

https://www.orico.co.jp/company/news/2019/0117.html

https://www.orico.co.jp/company/news/2018/1211.html