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欧州委員会「サステナブルファイナンス行動計画」専門家グループ(TEG)に、専門家180人を追加。産業ごとの「タクソノミー」整理を中心に。6月までに作業のピッチを高める(RIEF)

2019-02-13 08:49:45

EU1キャプチャ

 

 欧州委員会は、サステナブルファイナンス行動計画の軸となるグリーンプロジェクトのタクソノミー(事業分類)作業に、新たに180人の追加専門家を指名した。現行の欧州委員会のチーム「サステナブルファイナンスに関する技術専門家グループ(TEG)」は35人構成だから、一気に5倍以上の専門家を増やすことになる。欧州委の力の入れ方を反映した形だ。

 

 サステナブルファイナンス行動計画を具体化するTEGは昨年夏に作業を開始した。半年弱の短期間の昨年12月上旬、108ページから成るドラフト案をまとめた。

 

 内容は気候変動の回避(Mitigation)事業、適応(Adaptation)事業を中心に、すべてのサステナブル活動をリスト化することを目指している。ただ、その時点で公表されたのは、気候変動関連の回避と適応事業に限った。

 

 その他のより広範囲なサステナブル事業のリスト化については、第二段階の専門家を公募で募る形をとっていた。今回、その採用状況が明らかになった。

 

 追加の専門家は、タクソノミーを産業・セクターごとに、精緻に分類することを目指す。180人は主に、担当産業を決めて配置される。まず、15人は、電力、ガス、蒸気・空調供給業の現在のTEGメンバーを補完する形で作業に入る。

 

 さらに輸送分野と貯蔵分野には25人、農業分野は8人、製造業には32人、気候変動の適応分野の支援に31人、情報・コミュニケーション分野に12人、25人はTEG全体の仕事に対する「追加的貢献者」としてそれぞれ配置された。また他の持続可能性目的との摩擦を避ける「Do not significant harm」政策のための活動の担当に32人が配備された。

 

 公募で追加専門家を集めたことから、幅広い層からの参加者が顔をそろえた。大学、NGOのほか、ドイツとオーストリアの環境当局、北欧投資銀行、国連環境計画(UNEP)、メディアのBloomberg、業界団体の欧州セメント協会、欧州鉱業協会、金属・産業鉱物業界等などと多彩だ。 Volkswagen、 Repsol、Schneider Electricなどの企業関係者も加わった。

https://ec.europa.eu/info/publications/sustainable-finance-technical-expert-group_en