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バイオ燃料の量産化に向け、ユーグレナとデンソーが提携。両社の藻類技術を融合、現状より2000倍の生産力に(RIEF)

2019-02-21 14:30:10

ユーグレナの出雲社長(左)とデンソーの伊藤専務

 

 バイオベンチャーのユーグレナとトヨタ自動車グループのデンソーは20日、微細藻からつくるバイオ燃料事業などの分野で包括提携すると発表した。ユーグレナの「ミドリムシ」とデンソーの「コックミクサKJ」という複数の微細藻類を組み合わせることで、バイオ燃料の製造・供給力を高めることなどを目指す。

 

ユーグレナは藻類の一種の「ミドリムシ」から搾った油を活用しバイオ燃料を生産。デンソーも「コッコミクサKJ」という別の藻類から燃料をつくる技術開発を進めている。

 

yuguremaキャプチャ

 

 両社の提携内容は、バイオ燃料事業の開発のほか、微細藻類培養技術の研究開発、藻類の食品・化粧品等への利用、微細藻類による物質生産、としている。バイオ燃料開発では、ユーグレナは昨年10月にバイオ燃料製造実証プラントを立ち上げており、今年中にはバイオジェット・ディーゼル燃料の製造・供給を予定している。

 

 デンソーは別の藻類を開発しているが、同社には自動車の部品作りで培った大量生産ノウハウがあることから、両社の技術・ノウハウを融合することによって、当面は ユーグレナのバイオ燃料生産能力を2025年に現状の2000倍にとなる年間25万㌧に引き上げることを目指すという。

 

 具体的に提携の中身としては、ユーグレナのバイオ燃料製造実証プラントの原料の一部にて、ユーグレナの油脂に加えてコッコミクサKJから抽出される油脂も使用してバイオ燃料を製造・供給するという。また、デンソーは製造されたバイオディーゼル燃料の一部を社内運行バスに使用することも検討している。

 

 食品・化粧品等への利用分野では、デンソーのコッコミクサKJの成分に人の免疫力向上機能があることから、インフルエンザやノロウイルス等の抑制効果を高め、ユーグレナの商品企画・販売力で実用化を早めることなども目指す。

 ユーグレナの出雲充社長は「今は(生産能力で)100㌧というスケールが我々の天井になっている。デンソーの力を借りて生産の拡大、製造コストの引き下げにつなげたいる」と語った。