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東京建物、公募ハイブリッド型で国内初のグリーンボンド発行。発行額500億円、期間40年と、いずれも国内では過去最大、最長。ハイブリッド債は債券と株式の中間(RIEF)

2019-03-11 07:06:08

hareza2キャプチャ

 

 不動産開発の東京建物は、公募ハイブリッド社債(劣後特約 付社債)で初めとなるグリーンボンドを発行する。発行額は500億円、期間40年の長期間。発行額、期間とも国内発行のグリーンボンドとしては過去最大、最長となる。資金使途は、同社が開発を手掛ける東京・池袋の「Hareza (ハレザ)池袋(仮 称)豊島プロジェクト)」と、「中野セントラルパーク サウス」の両プロジェクトの取得・建設資金とリファイナンス資金とする。

 

 (写真は、建設が進む東京・池袋のHarezaプロジェクト)

 

 ハイブリッド社債は、株式と債券の両方の特性を持ち、普通社債よりも元本および利息の支払い順位の低い社債をいう。債務不履行のリスクが大きい分、利回りは相対的に高く設定される。今回も、利率は年2.15%となっている。利率は10年間は固定、以後は変動金利に変わる。資本性については日本格付研究所(JCR)が「中、50%」と評価している。

 

 今回の公募ハイブリッド社債は、第一回債と第二回債に分かれ、第二回債がグリーンボンドとなる。一回債は発行額300億円、期間47年、当初金利1.66%(7年間固定金利、以後変動金利)の条件。債券の信用格付はともにBBB(日本格付研究所)。

 

池袋の新たなシンボルになる「hazara」タワーの建設風景
池袋の新たなシンボルになる「Hareza」タワーの建設風景

 

 ハイブリッド型グリーンボンドの資金使途先となる二つの開発プロジェクトのうち、「Hareza 池袋((仮称)豊島プロジェクト)」は、東京都豊島区が掲げる「国際アート・カルチャー都市」のシンボルプロジェクト。池袋の豊島区庁舎跡地及び豊島公会堂跡地に、高層複合施設を建設する。オフィス、店舗だけでなく、8つの「劇場」を併設するのが特徴。一部は4月に完成する。最高33階、高さ158mで鹿島建設が設計・建設を担当している。https://pdf.irpocket.com/C8804/sCL4/BREa/Ki6s.pdf

 

 もう一つの中野セントラルパークサウスは、2012年に完成済みの事業のリファイナンス資金となる。同プロジェクトは中野区中野の中野四季の都市(まち)約 16.8ha を一体的に整備し、 約 3ha の開放的な緑地空間(中野四季の森公園を含む)等を据えている。「DBJ Green Building 認証」で最高ランクの「プラチナ」の認証を得ている。

 

中野セントラルパーク サウス
緑とビルがマッチングした中野セントラルパーク サウス

 

 共同主幹事は、大和証券、みずほ証券、 SMBC日興証券の3社。このうち大和証券が、事務主幹事と Green Bond Structuring Agent を務めた。JCRがグリーンボンド原則(GBP)への適格評価を付与した。

 

https://pdf.irpocket.com/C8804/bFn0/j4o7/J8PD.pdf