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日清食品、滋賀県の関西工場で、カップラーメン製造に使用するパーム油を「RSPO認証油」に切り替え。国内インスタントラーメン業界では初。「持続可能なパーム油」に賛同(RIEF)

2019-03-17 18:32:11

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 日清食品ホールディングス傘下の日清食品は今月から、滋賀県栗東市にある関西工場で、国内のインスタントラーメン業界では初となる「RSPO (持続可能なパーム油のための円卓会議)」に基づく「認証パーム油」の使用を始めた、と公表した。

 

 (写真は、滋賀県栗東市にある日新製品の関西工場)

 

 パーム油は、アブラヤシの果肉から採れる油脂で、インスタントラーメンを製造するうえで不可欠な原材料。ただ、産地の東南アジア等では、農園開発のための無秩序な熱帯林伐採による生態系の破壊や、周辺住民や農園労働者への人権侵害問題などが指摘されている。

 

 RSPOは、持続可能なパーム油の生産と利用の促進を目指して、パーム油生産企業、メーカー、小売、環境団体などが2004年に設立した非営利組織。現在約4000団体が賛同し活動を展開している。RSPOの認証を受けたアブラヤシ農園から生産されたパーム油の利用と、認証事業者は、流通、加工した製品に「安全性」を証明するRSPO認証マークをつけることができる。

 

パーム油の栽培状況
アブラヤシ農園の栽培状況

 

 日清食品グループは、2007年5月に「グリーン調達基本方針」を、2017年9月にはサスティナビリティ (持続可能性) への配慮を強化した「日清食品グループ 持続可能な調達方針」をそれぞれ制定。2017年10月には、日清食品ホールディングスはRSPOに加盟した。

 

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 今回、傘下の日清食品が実際に「認証パーム油」を関西工場で使ってインスタントラーメンを製造し始めた。すでに同グループでは、米国日清が2013年に、ハンガリー日清が2016年にそれぞれRSPOに加入し、両社の製品は、2016年までに「認証パーム油」への切り替えを完了している。今回、国内工場でも切り替えたことになる。

 

 ただ、今回の関西工場での認証パーム油への切り替えでも、グループ全体で使用するパーム油の「認証化」は20%にとどまる。同グループは、今後もサスティナビリティに配慮した調達を推進することで、持続可能な社会づくりに取り組んでいく、としてRSPO認証比率の引き上げを目指すとしている。

 

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 パーム油は、世界で最も多く生産されている植物油脂。日本が輸入するパーム油は年間約70万㌧で、菜種油に次いで2番目に多く使われている油。用途は、食品、日用品の原材料をはじめ、多様に使われているが、全体の80%以上がインスタントラーメンやポテトチップスなどの加工食品の揚げ油。パンやお菓子にも利用されている。

 

 認証パーム油の使用は、日本生活協同組合連合会やイオンなどの小売業や食品企業でも広がっている。

 

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 環境NGOのWWFは「日本の食産業にかかわる大手企業が、環境への配慮を強化する姿勢を明らかにしたことは、企業としての社会的な責任を果たしていく上で、とても重要な一歩。消費者も、お店やスーパーで商品を選ぶ時、美味しさや値段、使い心地だけでなく、『環境に配慮しているか』の視点を持って選ぶことが、大切」と指摘している。

https://www.nissin.com/jp/news/7697