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仏シュナイダー社、日本でマイクログリッド構築ソリューションビジネスを本格展開へ。企業の再エネ電力転換や、自治体の社会インフラのレジリエンス強化ニーズに対応。日本企業、追い抜かれるよ(RIEF)

2019-04-09 18:41:40

shuneider2キャプチャ

 

 仏電気機器大手のシュナイダーエレクトリックは8日、日本で再生可能エネルギーの普及とともに、需要が高まっているマイクログリッド向け事業に参入すると発表した。電力系統と別建ての地域単位の分散型小規模系統網の構築を支援するもので、今月中旬から、再エネ転換を進める企業や自治体向けに、マイクログリッド構築ソリューション「EcoStrxure MicroGrid」の導入を呼びかける。

 

 シュナイダーエレクトリックはこれまで日本市場では、中圧受配電機器等の製造・提供を中心としたパワーシステム事業を展開してきた。今回、企業を中心にエネルギーの再エネ転換への関心が高まってきたことを受け、同社がこれまで開発してきた、さまざまな産業のデジタル化を支援するIoTプラットフォーム「EcoStruxure(エコストラクチャー)」を電力グリッド向けフレームワークにした「EcoStruxure MicroGrid」の提供を展開する。

 

 この「EcoStruxure Microgrid」は、電力の発電、消費、貯蔵、販売を最適化し、停電時に系統から切り離した後も電力供給の安定化を図る制御・監視ソリューションという。同社はグローバル市場ですでに同サービスについて130件の導入実績があるとしている。

 

EcoStruxure MicroGridnの概念
EcoStruxure MicroGridの概念



 同ソリューションの中身は、次のようになる。まず、「EcoStruxure Microgrid Advisror」。これは電力をいつ作り、消費し、貯蔵し、販売するかを予測、最適化するアプリケーションをいう。デバイスを通して集められるデータを最適に処理する「エッジコントロール」層において振り分けられたデータの解析・分析を行う「アプリ・アナリティクスおよびサービス」層に位置する。

 

 「EcoStruxure Microgrid Operations」は、停電時に系統から切り離した後も電力供給の安定化を図る監視・制御ソリューションをいう。ネットワークに接続できる「コネクテッド・デバイス」層から収集したデータの監視・処理を行う「エッジコントロール」層に導入する。

 

 「コネクテッド・デバイス」層では、自社・他社製品問わずに必要なハードウェアをネットワークに接続することで、すべてのハードウェアからのデータを収集し、監視・管理が可能になるとしている。

 

 「EcoStruxure Microgrid」の特徴は、他社製品との互換性が高く、追加の負荷、発電も簡単に管理可能な拡張性を持つ点だ。このため、再エネを活用して環境にやさしい企業イメージの転換を図ることを目指すオフィスや工場・物流施設に適合するとともに、自然災害時の停電対策等を強化したい自治体や重要な施設、離島等での需要を見込んでいる。

 

 シュナイダーエレクトリック パワーシステム事業部 バイスプレジデントの青柳亮子氏は、メディアから、日本市場でのマイクログリッドビジネスの展開について問われ次のように答えている。自然災害を想定したレジリエンスの強化のニーズが自治体にも企業にも広がっていることに加え、ESG投資への対応や、事業用電力を再エネ100%で運営することを目指す国際イニシアチブ「RE100」への加盟企業が日本でも増加している。これらの「脱炭素ニーズ」の高まりを指摘している。

 

https://www.se.com/jp/ja/about-us/press/press-release/2019/entered-micro-grid-business-in-japan-market.jsp