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ドイツの風力発電機製造大手メーカーのセンビオン、経営破たん。自己整理での再生を目指す。負債総額は数十億ユーロの見通し(RIEF)

2019-04-10 10:36:17

 

  ドイツの風力発電機大手のセンビオン(Senvion)が9日、経営破綻した。負債額は数十億ユーロ(数千億円)とみられる。短期的に必要な1億ユーロの運営資金の確保ができなかった。同社はこれまで、債権者と資金交渉を続けていたが不調に終わり、事業再生手続きの一種である自己整理での再建を目指すと発表した。

 

 センビオンはハンブルグを拠点とし、グローバルに風力発電事業向けに発電タービン等の中核機器を供給するビジネスを展開している。日本市場では2003年から事業を行っている。昨年10月には、東芝エネルギーシステムズとの間で販売提携を発表している。https://www.toshiba-energy.com/info/info2018_1029.htm

 

 風力発電ビジネス全体はグローバルに拡大しているが、機器類のコスト低下は急速でメーカー間の競争が激しいほか、いくつかの国でこれまで再生可能エネルギー発電を支えてきた固定価格買取制度(FIT)などの政策措置の見直しが起きていることも、機器メーカーの採算性悪化につながっているとされる。

 

SEnvionキャプチャ

 

 金融筋は、センビオンが自己破産を選択したのは、現在、複数の投資家との交渉が続いていることもあるとみている。短期的な資金繰り危機を乗り越えれば、風力発電市場全体は拡大を続けているため再生の可能性は高いとの見方もある。

 

  センビオンは「現在、金融機関や債券投資家等との間で、この窮地を脱して事業継続を確保するための資金繰りに関する協議を続けている」とのコメントを出している。

 

 9日のドイツ株式市場での同社株は急落、取引開始から55%下落するという状態になっている。センビオンは、2017年の風力発電機市場でのシェアは9位。これまでに17GW、7900台以上の風車発電機の設置実績がある。特に洋上における実績が豊富とされる。

 

 ただ、2018年12月通期の決算は発表を延期している。同年1~9月の売上高は前年同期比38%減の8億800万ユーロ(約1000億円)、最終損益は6400万ユーロの赤字だった。

 

https://www.senvion.com/global/en/