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東京・日本橋で「スマートエネルギープロジェクト」始動。三越本店など20棟のビルに電力、冷暖房等供給。CO2約30%削減、BCP対応も。三井不動産と東京ガス(RIEF)

2019-04-22 09:00:20

Nihonbashi4キャプチャ

 三井不動産と東京ガスは、東京・日本橋のど真ん中で発電し電気と熱を地域に供給する「日本橋スマートエネルギープロジェクト」を始動させた。都市ガスを活用したコージェネレーションシステム(CGS)と系統電力を活用、既存ビルを含め周辺地域へ電力、冷温熱を供給する。省エネ・省CO2に加えて、非常時でもエネルギー供給が可能なレジリエンスな都市化を実現する。

 (写真は、「日本橋エネルギーセンター」の制御室)

 両社が共同設立した三井不動産TGスマートエナジー社が、日本橋室町三井タワーの地下に、「日本橋エネルギーセンター」を設けた。同センターは、発電量7800kWのガスエンジン3台のほか、廃熱ボイラー(4t/h)3台、廃熱投入型蒸気吸収式冷凍機 (1400RT)3台、ターボ冷凍機(1350RT)2台、同(800RT)1台、同(300RT)1台などを設置している。

 これらによるエネルギーの供給力は、発電量が約4.3万kW、冷熱が約110GJ/h、温熱が約60GJ/h。系統電力が途絶えた非常時でも、エネルギーを供給できる「エネルギーレジリエンス」機能を備えている。

対象地域
対象地域

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 発電・熱製造力に加えて、地域の地下に独自に張りめぐらせた自営線によって周辺ビル・商業施設に対して電力・熱等のエネルギーを供給する日本初のエネルギーネットワークを構築した。

 対象地域は、日本橋室町・本町地区の15万㎡のエリアで、エリア内の三菱日本橋本館や三井本館など約20棟のビルの延べ床面積100万㎡をカバーする。非常時のレジリエンスを高めるともに同地域のCO2排出量を約30%削減する。

CGSの心臓部にあたるガス発電設備
CGSの心臓部にあたるガス発電設備

 同システムは、広域停電時でも対象地域の建物のBCP(Business Continuity Plan)に必要な電気を供給(年間ピークの50%)できるほか、帰宅困難者を収容する一時滞在施設にもエネルギーを供給する。面的なエネルギーレジリエンスを向上させ、安心・安全な街づくりに貢献する、としている。

 三井不動産と東京ガスは、今後も豊洲(2020年竣工予定)など他エリアで、同様のエネルギーレジリエンスを高める連携を予定しているという。これらの取り組みを「スマートエネルギー事業」の先進モデルとして展開していく考えだ。

https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2019/0415_01/