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P&G 工場の水利用を全量再利用、外部排水ゼロの工場をグローバル展開へ。第一号は日本の滋賀工場で開始(各紙)

2019-05-10 18:11:53

P&G1キャプチャ

 

 各紙の報道によると、日用品大手の米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は工場で使用した水を全量浄化して再利用し、外部への排水ゼロ工場をグローバルに展開する。第一号として、日本の滋賀工場から始めた。逐次、世界の工場に広げる。限られた水資源を有効利用してESG重視の流れに対応する。

 

 日本経済新聞が報じた。P&Gは滋賀県野洲市の滋賀工場で、4月に本格稼働させた新棟に、新技術を用いた水の浄化装置を導入した。同新棟は、高級化粧品「SK-2(エスケー・ツー)」の製造専用工場で、化粧品の生産に使う装置の洗浄などに使用した排水を、人が飲める基準にまできれいに浄化。何度も循環して使えるという。

 

 スキンケアブランドの商品イメージ向上も期待できる。新棟の稼働で工場の生産能力は倍増するが、排水を循環利用するため、工場全体の生産量あたりの水の消費量や排出量は半減できる。こうした水道代抑制の経済効果も期待できる。

 

 P&Gは世界に約100ヶ所に工場を展開している。滋賀工場に続いて、順次、各工場の水資源を循環型に切り替える方針だ。日本製の化粧品は中国など海外で人気が高まっており、メーカー各社は相次いで国内工場を増強している。水資源に配慮し、水使用量削減にもつながる取り組みは他社でも重要になってきそうだ。

 

 P&Gは環境への取り組みなどを重視するESG投資の広がりを受け、2030年までの環境戦略を公表している。全商品で容器を100%再生可能なものにするほか、水使用量を10年比で35%削減する目標を掲げた。

https://jp.pg.com/citizenship/env_jp.jsp