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CDP、都市の温暖化対策等をランク付けした「Aリスト都市」評価を公表。A評価はロンドン、ニューヨークなど43都市。日本からはゼロ。アジアからは香港と、台湾3都市(RIEF)

2019-05-14 18:37:11

CDP1キャプチャ

 

 英NGOのCDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)は、都市の環境対策を評価する「Cities A List」調査の結果を公表した。温暖化対策や水資源管理等で優れた都市を抽出するもので、企業の温暖化対策調査を中心にしてきたCDPが初めて自治体評価を展開した。第一弾で「A」評価を得た都市は、ロンドン、パリ、ニューヨークなど43都市。日本の都市は一つも選ばれなかった。

 

 調査はCDPの環境情報プラットフォームを通じて情報開示をしている世界中の625都市を対象とした。各都市について、GHG排出量管理や、気候関連リスク評価、水資源管理等の各項目をスコア化が可能な596都市を選んで、AからD-までの8段階のランク付けをした。

 

 スコアリングは、「情報開示(Disclosure)」「環境配慮(Awareness)」「環境管理(Management)」「リーダーシップ(Leadership)」に大別し、それぞれについて詳細な対応項目を設けてスコア化する手法をとった。評価は、その結果、最高位のA評価を受けた都市は全体の7%に相当する43都市だった。

 

 CDPキャプチャ

 

 A評価都市のうち、ニューヨークやパリなど15都市がカーボンニュートラルやネット排出ゼロの目標年を設定している。もっとも目標年限が早いのはメルボルンで2020年。ついでハーグの2030年。その他の多くは2050年目標としている。またアイスランドのレイキャビックは、すでに再エネ100%を達成している。サンフランシスコやパリ等の5都市も再エネ100%目標を立てている。

 

 地域別では日本の都市は選ばれていないが、アジアからは香港と、台湾の台北、高雄、台中の3都市が選ばれた。台北は渇水対策としての水資源管理のため、2015年以来、漏水防止対策を2200箇所で実施し、年間61万3300㌧の水資源を節約したとしている。

 

 都市部はエネルギー起源のCO2排出量の70%以上を排出しており、気候変動対策でも重要な位置づけにある。国連の気候変動政府間パネル(IPCC)の特別レポートによると、世界の気温上昇を産業革命前からの1.5℃以内に抑制するには、GHG排出量を2030年までに半減させ、2050 年までにゼロにする必要があるとされる。

 

 CDPの都市、国家、地域グローバル担当の Kyra Applebyは「世界中の都市に対して、気候変動の悪化を防ぐために必要とされる最新の科学知見に沿ったGHGの削減目標を立て、行動をとることを求めたい。気候変動対策の必要性ほど、目下求められるものはない」と強調している。

https://www.cdp.net/en/cities/cities-scores#131739b6dfa66af3342e03d72a84af0e

https://www.cdp.net/en/cities/cities-scores/scoring-methodology