HOME |「気候変動イニシアティブ(JCI)」、政府の「パリ協定長期戦略案」に向けて提言。再エネ目標の引き上げで、石炭火力依存を低減。日本のリーダーシップの発揮を(RIEF) |

「気候変動イニシアティブ(JCI)」、政府の「パリ協定長期戦略案」に向けて提言。再エネ目標の引き上げで、石炭火力依存を低減。日本のリーダーシップの発揮を(RIEF)

2019-05-16 20:25:10

JCI1キャプチャ

 

 気候変動対策に取り組む企業や自治体、NGOなどの、ゆるやかなネットワークである「気候変動イニシアティブ(JCI)」は、日本政府が策定を進める2050年に向けた長期戦略案「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略(仮称)(案))」への提言をまとめた。

 

 提言は①エネルギー効率化の徹底的な進展と、再生可能エネルギーの利用の最大化②再エネ目標の一層の引き上げが、石炭火力など化石燃料依存を大幅に減らすカギーーと指摘している。

 

 今回の提言には、JCIに参加する211団体(143企業、26自治体、42その他団体)が賛同を表明している。JCIでは、これほど多数の企業、自治体、大学・研究機関、消費者団体、NGOなどが、自らの名称を明らかにして、国に対して気候変動対策の推進を求めるメッセージを発表するのは初めて、と強調している。

 

 政府はパリ協定に即した長期戦略案を策定するため、4 ⽉ 2 ⽇に公表された「パリ協定に基づく成⻑戦略としての ⻑期戦略策定に向けた懇談会」の提⾔を踏まえ、同月23日に長期戦略案を策定した。同案に対して、5月16日までの意見募集(パブリック・コメント)期間を設けてきた。

 

 政府は、今回のパブリック・コメントを含めた意見集約に基づき、6月に大阪で開催されるG20サミットまでに、正式に策定する予定。

 

 JCIは声明で、日本政府に対して「日本の脱炭素リーダーシップを世界に示す長期戦略の策定を強く求める」と指摘。G20議長国でもある日本の安倍政権のリーダーシップを問う形をとっている。

 

 政府の長期戦略略案は、懇談会提言を踏まえているが、懇談会は、昨年 10 ⽉に公表されたIPCC の「1.5℃特別報告書」を踏まえ、「最終到達点として『脱炭素社会』と いう『未来社会像』を設定し、それを野⼼的に今世紀後半のできるだけ早期に実現していく ことを⽬指す」ことを⻑期戦略に盛り込むよう求めている。しかし、政府の戦略案にはこの点はあいまいになっている。

 

 JCIの声明は、懇談会提言と問題意識を共有し、脱炭素社会の実現のために、再エネ目標の引き上げ等を求めている。そのうえで、「パリ協定が求める脱炭素社会の実現に向け、世界と共に挑戦の最前線に⽴つ」ことを約 束した気候変動イニシアティブの⼀員として、⽇本の脱炭素リーダーシップを世界に⽰す⻑ 期戦略の策定を強く求める、としている。

https://japanclimate.org/