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石油連盟、政府の気候変動対策の長期戦略策定に向け、石油業界の2050年の長期低炭素ビジョン公表。数値目標なし(RIEF)

2019-06-03 15:00:07

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 石油連盟(会長、月岡隆・出光興産会長)は2050年に向けた石油産業の長期低炭素ビジョンをまとめた。政府が進める気候変動対策の長期戦略に、業界としての視点を盛り込むためで、「エネルギー供給とエネルギー消費の両面から、地球温暖化問題の解決に引き続き挑戦していく」と強調するものの、数値目標は盛り込んでいない。

 

 (写真は、月岡隆石連会長)

 

 政府の長期戦略に向けた各業界のビジョン作成は、経団連の要請で進められている。石連では、これまで2030年までの行動指針は示していたが、2050年を前提としたビジョン(石油産業の長期低炭素ビジョン)の作成は初めて。

 

 ビジョンでは、石油業界として、エネルギー政策の基本方針である「3E+S」(安全性とエネルギーの安定供給、経済性、環境適合性の4つを同時達成する考え)に取り組むとともに、「エネルギー供給」と「エネルギー消費」の両面から、地球温暖化問題の解決に引き続き挑戦していく、としている。


 エネルギー供給面では、精製プロセスの省エネ化や、次世代バイオ燃料野導入などの石油系燃料の低炭素化と、再生可能エネルギーの普及拡大をあげている。エネルギー消費面では、エネルギー効率に優れた高機能製品の開発・普及を進め、バリューチェーン全体でのGHG排出削減に取り組む。日本自動車工業会と連携し、内燃機関の熱効率改善にも取り組む、としている。

 

 政府は現在、パリ協定に基づいて気候変動対策に関する長期戦略を策定中。ただ、政府案では「脱炭素」の言葉は使っているものの、石油供給を否定しているわけではないことから、石連のビジョンでは「脱炭素」ではなく「低炭素」とした。

 

 月岡隆石連会長は「ビジョンを起点に再生可能エネルギーにも取り組み、環境問題に対応する業界であることを伝える」と記者会見で説明した。

 

https://www.paj.gr.jp/paj_info/20190531.pdf