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ベアリング大手NTN、風力、水力、太陽光の3発電+蓄電機能を備えたコンテナ搬送型の独立電源開発。災害時対策や途上国向け輸出も(RIEF)

2019-06-05 13:14:59

コンテナに再エネ発電が勢ぞろい

  ベアリング大手のNTNは、風力・水力・太陽光の3発電を貨物輸送用コンテナにまとめて収納、蓄電設備も備えた独立電源「N3 エヌキューブ」を開発した。短時間で発電・電力供給ができ、移動も簡単なため、災害で電力供給が困難になった被災地等に複数の手段(トラック・貨物船・ヘリコプターなど)で移動が可能という。

 今回開発した「N3 エヌキューブ」は、同社がこれまで開発してきた自然エネルギー設備を組み合わせたほか、新たにコンテナ移動という「機動性」を加えた。停電した被災地等に、容易に移動・設置、電力供給を行うことを可能にした。

 搭載する発電装置の発電容量は、風力発電が0.5kW、水車が1.0kW、太陽光0.9kW、蓄電池8.6kWhとなっている。12フィートコンテナに収納されて、トラック、貨物船、ヘリコプターなどでの移動が可能。組み立ては2人いれば1時間でできるという。

 USBポートを利用したスマートフォン等の充電や小型家電製品(AC100V対応)を利用できる。また、従来型の非常用発電機の多くは、カセットボンベやガソリンなどを用いるため、長時間使用するためには燃料補給が必要となった。これに対して、「N3 エヌキューブ」は再エネ活用の独立電源で蓄電池も備えているため、燃料補給は不要だ。

 コンテナ内は備蓄資材を収納する棚を設けるほか、休憩用のベンチや机も設置できる。このため、更衣室や授乳室、休憩スペースなどの多様な用途での活用が可能という。

 日本では、最近、毎年のように大規模災害が頻発している。災害発生時の電力確保の体制整備は社会課題のひとつだが、実際は、各都道府県の防災備蓄倉庫の整備は遅れており、人口1万人当たりでわずか3台の水準に留まる。

 NTNは、主力商品であるベアリングによる省エネルギー化を推進するとともに、次世代の持続的成長に向けた施策として、自然エネルギー事業への取り組みを「SDGs」(持続可能な開発目標)の目標として掲げている。

https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news201900033.html