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出光興産、宇部興産、日揮の3社連合、産業廃棄物と石炭火力発電からのCO2を反応させ、建設資材や高機能材料に利用を目指す研究会発足。順調なら2030年にも実用化(RIEF)

2019-06-12 08:26:00

CCSUキャプチャ

 

 出光興産、宇部興産、日揮の3社は、カルシウムなどを含む産業廃棄物と石炭火力発電所等から排出されるCO2を反応させて、建設資材や高機能材料を製造するCO2固定化・利用の研究会(CCU研究会)を設立したと発表した。

 

 (は、炭酸塩化による CO2固定と利用のイメージ)

 研究会には複数の大学も参加する。研究会は「Carbon dioxide Capture and Storage with Utilization(CCU)研究会」。CO2回収貯留(CCS)技術開発の中から生まれてきた新技術として「カルシウム等を多く含む産業廃棄物を活用し、CO2と反応させて炭酸塩化および高付加価値化する」技術を開発するという。

 目指す技術開発ではCO2と反応させて生成する炭酸塩や金属イオン抽出後の残渣を、建築・土木材料、各種工業材料等の資源として活用することを目指す。当面、2~3年間は基礎研究を中心とし、その後に実証実験に取り組む。順調にいけば2030年頃には実用化したいとしている。

 特定の研究施設は設けず、3社の研究員が相互に連携して共同研究チームを構成する。出光は石炭事業部石炭・環境研究所が参加。宇部興産はカルシウムと建設資材の各事業、日揮は環境性を考慮したプラント建設のノウハウをそれぞれ提供する。

 3社はCCSの技術開発を、利用(U)にも広げた(CCSU)の事業化を展望しており、今回の共同研究では、CCSUの技術的可能性だけでなく、事業の採算性についても検証する。

 利用する産業廃棄物は、火力発電所や工場からカルシウム、マグネシウム、ナトリウムを多く含む産業廃棄物を回収する。

 

https://www.idss.co.jp/news/2019/190610.html