リコー、オフィスビルの「ZEB」化に着手。今春の岐阜支社に続き、熊本、和歌山でも取り組み。社用車もEVかPHVに切り替え。再エネ100%化の一環(RIEF)
2019-07-01 12:30:02
リコージャパン(東京)は全国のオフィスの「ZEB」化を進めている。国土交通省の認定制度による「ゼロ・エネルギー・ビルディング(ZEB)」の3段階認証のいずれかを取得する。今春、岐阜支社で取得したのに続き、熊本市と和歌山市でも取り組みを始めた。リコーは自社で使用する電力を100%再生可能エネルギーにする「RE100」に署名しており、オフィスのZEB化はその一環。
(写真は、岐阜支社の屋上に設置された太陽光発電設備)
リコーが採用するZEB認証は、国土交通省の建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の認証。ビルの照明・給湯、エレベーターなどに使う基準一次エネルギー消費量を100%削減するZEB、75~100%削減の、ほぼZEBに近いNearly ZEB(NZEB)、50%以上がZEB Ready(ZEBR)の3段階で評価される。リコーはこれらのいずれかの取得を目指す。
先行してZEB化ビルとして新築した岐阜支店は、このうちNZEB認証を得た。オフィスには太陽光発電や蓄電装置を導入、照明・空調制御システムや断熱建材・断熱ガラスなども採用した。また支社長用車両にEV(電気自動車)を導入、CO2排出量を削減、災害時にはEVを非常用電源に活用する計画だ。
岐阜に続いて、熊本、和歌山の両オフィスも省エネビルを新築する。岐阜と同様、太陽光パネルやLED照明、空調制御システムや、断熱建材・断熱ガラスなどで省エネを徹底する。現在のオフィスは一時移転し、2020年ごろに完成する新築NZEBビルに移転する。
リコーは、全国354拠点にオフィスを展開している。地域に密着した事業展開を継続しており、これらのうち自社所有もしくは一棟借りの社屋(159棟)を、今後、社屋の新設(移転を含む)に合わせて、順次、「ZEBR」以上の省エネモデル事業所に切り替える。
またこれまでも、自社が実践する働き方改革の取り組み等を、実際のオフィスで紹介するLiveOffice「ViCreA」を展開してきたが、今後はZEB化ビルをまるごとショールーム化し、顧客企業に対しても省エネ・創エネ・畜エネ等の低炭素化ビジネスを提案していくとしている。
全国で使用している約8,500台の自動車のCO2対策も進める。支社長や役員用の自動車については、2025年度までにすべてEVかPHVに切り替える。その他の自動車も、順次EVやPHVへ切り替える。都市部では自転車の使用のほか、EV化した2輪、3輪バイクの導入にも取り組むとしている。
リコーグループでは、2017年4月の第19次中期経営計画で、事業を通じて注力する5つの重要社会課題の一つとして、脱炭素社会の実現を掲げている。その実現に向けて、2050年に自社の温室効果ガス(GHG)排出ゼロを目指す「リコーグループ環境目標」を設定、「RE100」に署名している。