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太陽光パネル製造・処理の「NPC」社、廃棄太陽光パネルの解体処理の中間処理事業開始。パネルを破砕せず、ガラスと金属類等を解体・分別処理へ。リサイクル市場の拡大に期待(RIEF)

2019-07-02 16:58:28

NPC1キャプチャ

 

 太陽光パネルの製造・処理等を行うエヌ・ピー・シー(NPC)は1日、廃棄後の太陽光パネルを解体処理する中間処理事業を始めた。太陽光パネルはガラスと金属分との分離が難しく、これまでは破砕埋め立て処理が中心だった。同社は、ガラスと金属分を分離する独自の手法を開発、材料別に解体・分別して素材メーカーやリサイクル業者に供給する。廃太陽光パネルの処理コストの低下と、リサイクル市場の拡大につながる期待がある。

 

 太陽光発電システムは固定価格買取り制度(FIT)の導入で全国に普及している。一方で、将来的に製品寿命を迎えるパネルの大量廃棄が予想される。しかし、現在の処理技術では、パネルの重量の7~8割を占めるガラスと、パネルに使われている銀や銅などの金属類を分離できず、一般的な産業廃棄物として粉砕処理されているという。

 

ホットナイフ分離法
ホットナイフ分離法

 

 NPCが開発した技術は、「ホットナイフ分離法」と呼ぶ手法。約300℃加熱したナイフで、ガラスを割らずに、その他の部材ときれいに分離できるという。解体・分別は、太陽光パネルを構成する①ガラス②セル/EVAシート③アルミフレーム④ジャンクションボックス(電気の取り出し口)、の各素材ごとに切り分ける。

 

 解体・分別した各素材は、ガラスメーカーや精錬所等に販売、それぞれでリサイクル処理される。同技術は、ガラスが割れているパネルの場合でも処理が可能で、環境負荷低減につながる。また処理能力は、パネル1枚当たり約60秒で処理できるという。

 

 同社は同技術を、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに参加し、開発した。NPCは、解体技術を使った処理システムを一部のリサイクル事業者に販売している。

https://www.npcgroup.net/