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パナソニック、NTTスマイルエナジーと共同で、「卒FIT」買い取り最高値の「最大16円/kWh」。蓄電設備購入等が条件。11月から提供。「卒FIT」市場競争激化へ(RIEF)

2019-07-02 23:26:00

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 パナソニックは、NTTスマイルエナジー(大阪)と共同で、卒FITの住宅向け余剰電力の買い取り市場に参入、「最大16円/kWh」の現時点で最高値の買い取り価格を提示した。「16円」の価格は既存電力会社等のほぼ倍。蓄電池やエコキュート等の購入や契約条件等を満たす必要があるが、「価格破壊」ともいえる提示で、卒FIT市場は過熱してきた。

 

 パナソニックとNTTスマイルエナジーが提供するのは「エネPlus」。NTTが提供する「エコめがね卒FIT Plus」の契約者が、同社の「ちくでんエコめがね」やパナソニックの蓄電池やエコキュート等を購入した場合という条件付き。

 

 NTTの「エコめがね」サービスは、NTTが取次事業者となり、卒FIT世帯の太陽光発電余剰電力を「エネット」へまとめて取次ぐ内容。同サービスの買い取り価格は東日本エリアで9.3円/kWh、西日本エリア8.4円/kWh等だが、これをベースに蓄電設備等の上乗せで、最高値を実現する。

 

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 先行する形で「卒FIT」の電力買い取りを提示した電力会社の価格は7~9円でそろっている。これに、住宅会社の旭化成ホームズが自社が建てた太陽光発電付き住宅からの買い取りを10円、積水化学工業は蓄電設備導入の場合は12円など、ジリリと価格は上触れしていた。しかし、今回のパナソニックは条件付きだが、そうした流れを一気に引き上げる16円を提示、ライバル各社を驚かせた。

 

 蓄電池やエコキュート等は初期投資が100万円前後かかる。家庭にとっては追加投資となるので、有利な買い取り価格だけで顧客を獲得できるかは不明。しかし、家庭の蓄電設備整備を後押しする可能性もある。

 

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 家庭向けの太陽光発電を電力会社が買い取るFIT制度は2009年11月に10年を期限として始まった。期限が切れる今年11月以降、年末までに約53万世帯が発電分を自家消費したり、新たに余剰電力を売却する必要がある。累積では、2023年までに約165万件、発電能力670万kWに達する予定。

 

https://news.panasonic.com/jp/press/data/2019/07/jn190702-2/jn190702-2.html