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パナソニック、植物由来の「セルロースファイバー」を55%以上混入した樹脂素材開発。冷蔵庫などの家電製品や建材等のプラスチック使用を半減へ(RIEF)

2019-07-09 13:57:41

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 パナソニックは、プラスチック削減のため、冷蔵庫などの家電製品にプラスチックの代替品となる植物由来の「セルロースファインバー」素材を55%以上混入させた樹脂を開発したことを明らかにした。プラスチック量を削減できる上に、同素材の活用で、着色や木質感などの表現性の高いデザインを実現できるという。

 

 セルロースファイバーは、一般的にパルプを水中で解きほぐして製造する(「解繊」という)。ただ、樹脂と複合化する際に乾燥させる必要があり、その工程に多大なエネルギーの投入が求められてきた。

 

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 今回、同社が開発した新技術は、この製造時のエネルギーを削減するため、水を使用せず、溶融した樹脂中でパルプの解繊を実施する「全乾式プロセス」という。さらに、セルロースファイバーを55%以上樹脂に混ぜ込む複合加工技術、白色の成形材料の生成を可能にする混練技術も開発した。

 

 開発した白色の高濃度セルロースファイバー成形材料は着色自由性が高く、「白物家電」の電気製品のボディーでも、着色剤なしで、色むらを制御する成形が可能になるという。すでに、全乾式プロセスによって開発したセルロースファイバー樹脂は、先行する形で、2018年8月に発売したコードレススティック掃除機に採用している。

 

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 同素材は家電製品のほか、建材、車載部材、日用品など幅広い用途で使われることが期待される。すでに、国内、海外で合計26件の特許を取得している。

 

 同社は国連の持続可能な開発目標(SDGs)において、今回の新素材の開発が、海洋プラスチック問題や石油資源の枯渇・地球温暖化などの環境問題、および天然資源の効率的な利用(第12目標)や、海洋汚染の防止および大幅な削減(14目標)に適合する、と位置づけている。同社は2017年に「環境ビジョン2050」を策定、 「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向けた開発活動を推進している。

https://news.panasonic.com/jp/press/data/2019/07/jn190708-1/jn190708-1.html