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東京都、ESGファンド立ち上げへ。ファンドマネジャーを公募。再エネ発電事業を主な投資対象とし、ファンド規模は50億円。都の出資は5億円(RIEF)

2019-07-10 22:35:07

toukyoutoキャプチャ

 

 東京都は「国際金融都市・東京」構想の取り組みの一つとして立ち上げる都独自の「ESGファンド」を運営するファンドマネジャーの募集を始めた。同ファンドは再生可能エネルギー発電を主な投資対象とし、ファンド総額は50億円、都の出資は5億円としてスタートする予定。

 

 東京都によると、都がファンド(投資事業有限責任組合:LPS)へ参加する資格は、有限責任組合員(LP)とする。募集するファンドマネジャーは、無限責任組合員(GP)でファンド全体の運営責任を負う。ファンドマネジャーは個人でも、民間資産運用会社が請け負って、担当のファンドマネジャーを任命する形でもいい。

 

 ただ、ファンドマネジャーは管理報酬の一部等を社会貢献性の高い事業等の支援に寄付する仕組みを盛り込むことを求められる。「金融による社会的課題解決への貢献」を実施するためとしている。

 

tokyoESG1キャプチャ

 

 募集要項には、「社会貢献性の高い事業等への支援の要件」も記載されている。支援方法として、「ファンドマネジャーの管理報酬の一部等を寄付」としている。ただ、報酬に占める寄付の割合等は求めていない。

 

 また「支援先」の例として、 ひとり親支援、女性活躍促進、子供支援、障がい者雇用促進等の社会的課題の解決に資する事業を実施する非営利法人で、東京都が指定する者(2020 年度選定予定)と具体的に指示している。

 

 都では今回のファンドに先行する形で、2014年から、「官民連携再生可能エネルギーファンド」事業を実施してきた。再生可能エネルギーを都内外で普及させるため、民間のファンドに出資する事業を継続してきた。これまでに4つのファンドを立ち上げ、都の出資は総額12億円、ファンド規模は約100億円まで拡大した。http://www.kaikeikanri.metro.tokyo.jp/kanminrenkeisaienefund.html

http://rief-jp.org/ct4/78911

 今回のESGファンドも基本的に、再エネ投資であり、官民連携ファンドであることから、既存の官民連携再エネファンドとほぼ同じスキームになる。ただ、投資対象は基本的に都内(島嶼部を含む)としている。

 

 このため、大規模な太陽光発電や風力発電というより、都内の家庭・企業等の再エネ発電設備をバーチャルに統合した「仮想発電所(VPP)」や、家庭用太陽光発電の卒FIT後のシステム化等の「都市型再エネ」電力投資が中心となりそうだ。唯一、小笠原諸島等では海洋エネルギー投資等も期待される。

 

 小笠原では今年年初から、母島に太陽光発電設備と蓄電設備を設置し、同島で利用する電力を100%再エネ電力に切り替える実証実験を始めており、将来の「ゼロエミッション・アイランド」化を目指している。

 

 ファンドマネジャーの募集はすでに始めており、 8 月 23 日まで受け付ける。ファンドは来年2月までに立ち上げる予定。

 

http://www.senryaku.metro.tokyo.jp/news/2019/201907_001.html