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トヨタとシャープ、高効率太陽電池搭載のプラグインハイブリッド(PHV)実証車開発。変換効率34%。HVとEVの「さらなるハイブリッド化」(RIEF)

2019-07-22 11:05:49

toyota1キャプチャ

 

 シャープとトヨタは、高効率太陽電池を車体に搭載したプラグインハイブリッド車を開発、今月中に公道実証を始める。変換効率34%以上という高効率の太陽電池が生み出す電力で、ハイブリッド車の燃費や航続距離の向上を目指す。ハイブリッド車とEV車のさらなる「ハイブリッド化」ともいえる。

 

 両社の共同開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けている。開発した太陽光発電付きハイブリッド車は、今月横浜で開催された「第14回再生可能エネルギー世界展示会」(パシフィコ横浜)で披露された。

 

 自動車の車体に搭載される太陽光発電設備は、世界最高水準の高効率太陽電池セル(変換効率34%以上)を車載用にモジュール化した。これをトヨタが「プリウスPHV」のルーフやフード、バックドア、バックドアガーニッシュなどに張り付けた。太陽光の定格発電電力は約860Wとなる。

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 トヨタはすでに、市販のプリウスPHVでルーフに太陽電池を搭載したモデルを発売している。しかし今回の開発車両の太陽電池の発電容量は、従来のものの4.8倍の威力がある。

 搭載する太陽電池も従来型と大きく異なる。搭載するのはシャープがNEDOと共同開発した化合物3接合型の太陽電池。主にインジウムガリウムリン(InGaP)、ガリウムヒ素(GaAs)、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)の3種類の化合物を積層し、一般的なシリコン太陽電池などよりも、広い太陽光の波長を電力に変換できる。これによって発電効率34%以上を実現できる。

 また従来の「プリウスPHV」は駐車中だけ駆動用バッテリーへの充電を行っていたが、今回の開発車では走行中にも充電できるシステムを採用した。この結果、EV航続距離や燃費の大幅向上が見込まれるという。

 Toyota3キャプチャ

 太陽電池モデュールは、0.03mmの薄いフィルムに転写した形状として、車体に貼り付けるように搭載する。フィルム状なので、曲面でも効率よく搭載でき、搭載できる太陽電池の容量を増やせるという。

 

 これらの工夫を加えた結果、開発車は駆動用バッテリーに太陽電池で1日充電を行うことで、44.5kmのEV航続距離を見込める、としている。今後、愛知県豊田市や東京都で実証実験を繰り返し、開発レベルを高めていく方針という。

https://corporate.jp.sharp/corporate/news/190704-a.html

https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/28781301.html?_ga=2.14603007.971296312.1563760478-1065567640.1563760478