清水建設は24日、洋上風力発電の風車を建設する専用の洋上作業船(SEP船)の建造を公表した。総トン数は2万8000トンで世界最大級になる。投資額は500億円で、今年4月の洋上風力新法施行後に拡大が見込まれる洋上風力発電関連施設の需要獲得を目指すとしている。ゼネコンの同社が船舶を保有するのは初めて。2022年に完成の予定。
(写真は、清水建設が建造する風力発電用作業船の完成予想図)
各紙の報道によると、同社のSEP船は幅50m、全長142mで、建造は造船大手のジャパンマリンユナイテッドが担当する。高さ200~300m規模の大型洋上風車を建設する際には、同船に風車の支柱等の部品を乗せて海洋の目的地まで運ぶ。目的地に着いたら、そこで船に備えられた4本の足を海底に着床させて支えにし、船体全体を海面から浮かび上がらせ、安定作業ができるようにする。
作業に際しては、まず、船に装備された大型クレーンを動かして風車の支柱の基礎部分を海底に打ち込む。支柱が安定すると、その支柱に風車の中心軸や羽などを備え付ける工事を行う。同船を利用すると、8MWクラスの風車の場合、基礎工事を除くと、10日間で7基分の建設が可能という。クレーンは2500㌧の部品を最大158mの高さまで、つるし上げることができる。
井上和幸社長は記者会見で、「発電事業者に積極的に営業を図って、洋上風力発電関連施設の建設工事市場でトップシェアを取りたい。洋上風力の仕事を成長の原動力としたい」と意気込みを語った。