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ユーラスエナジー、風力発電所内にサーバーセンター設置。CG用画像処理を、高品質電力で安定供給。まず、米国で実証化、将来は日本国内でも展開へ(RIEF)

2019-07-29 18:06:06

Eulas1キャプチャ

 

 国内風力発電最大手のユーラスエナジーホールディングス(東京)は、風力発電所エリアにコンテナ型のサーバーセンターを設置し、CG(コンピューターグラフィックス)の画像処理をクラウドサービスとして提供するサービスを始める。まず、米国で2020年1月から実証実験を初め、今後、国内外で広げることを検討する。再エネ電力を送電網を通さずに安定供給できるメリットがある。

 

 ユーラスは、米半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)のほか、CGレンダリング事業のモルゲンロット社、ブロックチェーン構築のWOODMAN(ウッドマン)、AMD(エイエムディ)社と協働する。実証実験をするテキサス州ではユーラスが自前で所有する同グループ最大のブル・クリーク風力発電所内に、サーバーセンターを設置する。

 

風力発電所内のサーバーセンターの仕組み
風力発電所内のサーバーセンターの仕組み

 

 同センターでは、クラウドベースでCGレンダリングサービスを2020年1月から提供する。精緻な映像、CMコンテンツ制作、遠隔での医療診断、複雑なシミュレーションを多用する自動車や航空宇宙関連産業などにおいて、CGレンダリングに対するニーズが高まっていることに対応する。同サービスには大量の電力が必要になるが、風力発電所からの供給で、送電ロスが少ない質のいい電力を確保できるメリットがある。

 

 設置されるコンテナ型サーバーセンターには、AMD社の高性能GPU 「Radeon™」およびCPU「Ryzen™」を搭載し、Radeon™ ProRenderをベースとしたシステムを構築する予定。同サーバーセンターの運営に必要なハードウェアやソフトウェアについてはWOODMANとモルゲンロットの両社がサポート体制をとる。

 

導入されるコンテナ型サーバーセンター
導入されるコンテナ型サーバーセンター

 

 ユーラスは「来る5G時代に向け、『コンピューティングパワーに必要な電力をクリーンエネルギーで賄う』という新しい取り組みに積極的にチャレンジし、Utility3.0時代の先駆けを目指す」としている。日本国内では、大規模風力発電の電力を送電網で処理しきれない課題が浮上しているが、発電所内にサーバーセンターを設置することで、そうした問題をクリアできるほか、地域の活性化への貢献も期待できる。

http://www.eurus-energy.com/