HOME |三菱重工、質の高いエネルギーインフラを、社会・経済・環境の3側面で定量評価する新評価指標「QoEn™(クウォン)」開発へ。グローバルでの都市開発市場への参入目指す(RIEF) |

三菱重工、質の高いエネルギーインフラを、社会・経済・環境の3側面で定量評価する新評価指標「QoEn™(クウォン)」開発へ。グローバルでの都市開発市場への参入目指す(RIEF)

2019-08-11 23:05:51

mitusbishijyukou4キャプチャ

 

 三菱重工業は、地域ごとに望ましいエネルギーインフラの姿を定量的に提示する「QoEn™(クウォン)」と名付けた指標の開発に着手した。都市開発等の計画段階から、必要なエネルギー供給を賄うと同時に、地域の持続可能な成長を支援するエネルギーインフラの影響度を社会・経済・環境の3側面で定量評価する仕組み。

 

    QoEnは「久遠」の意味も込めているという。対象エリアごとに、最適なエネルギーインフラを構築する道筋をわかり易く示すため、地域の統計データなどの公共データを用いて、社会、経済、環境の3つの指標を数値化する。

 

 そのデータを元に、地域の開発目標や成長目標などの将来指標と、現状とのギャップを示す。また、新たなエネルギーインフラの導入が対象エリアにどう貢献するかを評価する機能も含めている。評価ツールは外部公開し、公共データがあれば第三者でも使用可能な客観性を担保したツールとする。

 

mitubishijyuuko3キャプチャ

 

 QoEnは、数値化した社会、経済、環境の3指標のの将来指標と現状とのギャップを、三角形のイラストで示すことで、インフラのバランスや他地域との比較を容易に把握できる。インフラ導入後も同様の評価を継続的に行う事で、導入効果の評価や計画の見直し等に反映できる。

 

 同社は開発した指標をベースに、グローバルベースで、都市計画やインフラ建設等の初期段階からコンサルティングを手掛ける。また、インフラ建設全体のインテグレーター役を務める考え。QoEnに基づき導入するシステムや設備については、自社製品だけにこだわらず、”全体最適”かつ”オープン”なイノベーションを活用するプラットフォーム構築に徹するとしている。

mitushibishijyukou2キャプチャ

 同社は、2018年10月に豪州・ニューサウスウェールズ州政府との間で、西シドニー地域の総合開発計画におけるエネルギーマネジメント提案などで協力の覚書(MOU)を締結している。その一環として豪州ニューサウスウェールズ大学とQoEnの共同実証研究を行っている。2019年内に西シドニー地域への適用結果などの研究成果を公表する予定。

 

   同社は、「QoEnを用いて最適なエネルギーインフラを提示することで、それぞれの地域の特性に応じた持続可能な社会の実現に貢献していく」とコメントしている。

https://www.mhi.com/jp/news/story/190809.html