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米小売大手ウォルマート、テスラの太陽光パネルが原因で7店舗で火災発生。数十万㌦の損害、と訴訟提起。テスラが2016年に買収したSolarCity製(RIEF)

2019-08-21 17:28:02

Walmart1キャプチャ

 

    米大手小売のウォルマートが、電気自動車大手のテスラグループの太陽光パネルが7つの店舗で火災を起こし、重大な損害をもたらしたとして、テスラをニューヨーク裁判所に提訴した。火災につながったとされるパネルはテスラの傘下にあるSolarCity製。2016年にテスラが買収している。

 

 報道によると、 訴状では、2018年11月時点で、メリーランド州のデントン(Denton)やオハイオ州のビーバークリーク(Beavercreek)等のウォルマートの少なくとも7つの店舗で、設置していたSolarCity製の太陽光パネルが原因で火災が発生したという。火災は店舗の商品を損傷するとともに、店舗も燃えたという。ウォルマートは、損害額は数十万㌦に上ると主張している。

 

 裁判所でのウォルマート側の陳述によると、「テスラは、数百に及ぶウォルマートの店舗の屋根に、同社のデザインしたパネルを設置し、その操業も安全性を確保して基準に従って運営するべきところ、そうした基準を長年無視、あるいは維持に失敗して、わが社との契約を破った」と批判している。報道に対して、テスラはコメントを出していない。

 

SolarCity買収の成果をアピールするテスラのマスクCEO
SolarCity買収の成果をアピールするテスラのCEOのマスク氏

 

 ウォルマートがSolarCity製のパネルを導入したのは2010年。約240の店舗の屋根に設置した。SolarCItyはテスラのCEO、イーロン・マスク(Elon Mask)氏の2人の従兄弟が創業した会社で、2016年にテスラが26億㌦で買収し、傘下に入った。テスラは、電気自動車以外の住宅用太陽光発電事業への多角化展開を目指す戦略とされた。

 

 今回の火災事故は、テスラの買収以前の案件による。テスラは別途、2018年3月にカリフォルニア州で発生したテスラ「モデルX」による衝突事故で、国家運輸安全委員会(NTSB)の調査を受けている。事故によってリチウムイオンバッテリーが破損し、火災を引き起こした。

 

 テスラは今年第二四半期の決算で、売り上げは伸びているものの、4億㌦強の損失を計上し、経営的に苦しい状況にある。

https://www.tesla.com/