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グレタさん、大西洋横断に成功、28日午後にニューヨーク入り。9月の国連気候サミット、12月のチリでのCOP25等に出席。ブラジルのアマゾン火災にも物申すか(RIEF)

2019-08-28 23:30:30

Greta224キャプチャ

 

 9月にニューヨークで開かれる国連気候サミットへ出席するため、大西洋をヨットで横断していたスウェーデンの16歳のグレタ・トゥンベリさんがニューヨークに到着した。グレタさんは28日、「コニーアイランド沖に停泊している。入国管理も済んだ」とツィッターでつぶやいた。英国プリマスを出港後、ちょうど2週間の航海だった。

 

 グレタさんのツィッターによると、潮の流れに乗って、午後(日本時間29日午前)にニューヨーク・マンハッタンの南端にあるNorth Cove Marinaに入港した。

 

ニューヨーク入りしたグレタさん
ニューヨーク入りしたグレタさん

 

 港にはニューヨーク市民や報道陣らが数百人集まり、出迎えた。グレタさんは港で開いた記者会見で「気候変動、生態系の危機は、人類がこれまで直面したことがないほど大きく、地球規模の出来事。ともに立ち上がり、助け合いながら行動を取らなければ手遅れになる」と訴えた。

 

  温暖化対策に消極的なトランプ米大統領を説得しないのか、と問われると、「気候変動危機や緊急性について誰も彼を説得できないのに、どうして私ができるのか。私は(一般の人に)危機に気づいてもらうことに集中している」と述べた。

 

 米国入りしたグレタさんは、9月23日に国連で開く気候変動サミットに出席するほか、12月にチリで開く国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)に出席するため、南米にも渡る。グレタさんはスウェーデンの義務教育を終えて、現在は、環境保護活動に専念している。

 

greta223キャプチャ

 

 ただ、南北米大陸は広くて、北半球から南半球へと長い。彼女は、気候変動加速にコミットしないため、航空機の利用はしない。このため今回の訪米もヨットで大西洋横断という行動をとった。したがって、チリへの訪問も陸路あるいは海路で移動することになる。

 

 グレタさんが大西洋を横断している間に、世界の環境問題での関心は、ブラジルのアマゾンでの森林火災の多発に集中している。アマゾンの森林減少はCO2吸収力を低下させ、生態系を破壊し、水資源枯渇、さらには気候変動の加速につながる。まさにグレタさんが緊急の温暖化対策を求めて訴えてきた活動に逆行する行動を、大人たちがとっていることになる。

 

 その張本人の大人が、ブラジルのボルサナロ大統領だ。グレタさんは、米国訪問中もトランプ大統領との面談は「時間の無駄」として行わない方針とされる。「ブラジルのトランプ」と呼ばれるボルサナロ大統領にはどう対応するのか。注目される。

 

 グレタさんは大西洋を航海中、昨年8月20日に開始した「気候変動対策を求める登校拒否(School Strike)」の一周年を迎えた。この一年間で、彼女がたった一人でスウェーデン議会の前に座り込んでから、世界中の若者たちに共感の輪が広がった。

 

 彼女の米国入りは、その疲れを知らぬ活動の「第二幕」の幕開け、ということかもしれない。