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独・スペイン共同の再エネ機器製造大手のSGRE、4月に破たんした独風力発電大手のセンビオンの欧州事業等、主要部分を買収。2億ユーロ(約240億円)(RIEF)

2019-10-21 21:16:34

SGRE1キャプチャ

 

   再エネ機器大手のシーメンス・ガメサ・リニューアブルエナジー(Siemens Gamesa Renewable Energy: SGRE)は21日、4月に経営破綻した同業の独センビオン(Senvion)の欧州事業の陸上風力発電設備や維持サービス事業などを買収すると発表した。買収額は2億ユーロ(約240億円)。

 

 SGREはドイツとスペインに拠点を持つ再生エネルギー機器製造会社。買収対象は、セビオンの欧州での陸上風力発電設備の大半と、関連事業資産、維持サービス。さらにセンビオンのすべての知的所有権、ポルトガルのVagosにある陸上風力用のブレード製造会社も含められる。

 

 4月に倒産したセンビオンはハンブルグを拠点とし、グローバルに風力発電事業向けに発電タービン等の中核機器を供給するビジネスを展開していた。日本でも事業を行っていた。負債額は数十億ユーロ(数千億円)に上った。事業再生手続きの一種である自己整理での再建を目指したが行き詰まった。http://rief-jp.org/ct4/88816

 

 

SGRE2キャプチャ

 SGREはセンビオンのビジネスのうち、8.9GWの風力発電設備を買収することで、維持担当する総発電容量は69GWに増える。SGREにとって、発電容量が増えるだけでなく、地理的な多様性を確保できるメリットもある。


 特に、Vagosのブレード製造会社を手に入れたことで、SGREは製造能力を高め、これまでアジアを中心としたサプライチェーンへの依存度を減少させる効果が期待できるとしている。またセンビオンの知的所有権を吸収することで、将来の技術ポートフォリオを高めることにつながる。



 SGREのCEOのMarkus Tacke氏は「センビオンの維持サービス資産は、われわれの主要市場であるドイツ市場を含めた欧州の他の重要市場でのわれわれの競争力を高めることにつながるだろう。またポルトガルのブレード製造事業は、サプライチェーンが持つ貿易リスクを回避することができる」と買収の効果を強調している。

 

 今回の買収で、センビオンの従業員の約6割にあたる2000人の労働者がSGREに再雇用される。買収に伴う当局の承認を得るために、買収の完了は2020年第一四半期になるとみている。ただ、センビオンがインドで展開している風力発電機事業などは、今回の買収対象になっていない。

 

 SGREは2017年に独シーメンスの風力発電機部門と、スペインのガメサが統合して誕生した。洋上風力では世界最大手で、陸上風力ではヴェスタス(デンマーク)に次ぐ欧州2位の競争力を持つ。

https://www.siemensgamesa.com/en-int/newsroom/2019/10/191021-siemens-gamesa-senvion-agreement