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臨床検査事業の「みらかホールディングス」、新検査研究施設の機器充当費等の資金調達のため初のソーシャルボンド発行200億円。社会保障料抑制等の課題解決に充当(RIEF)

2019-10-25 08:17:08

miraka1キャプチャ

  臨床検査事業等を展開する「みらかホールディングス」は25日、ソーシャルボンド200億円を発行する。ボンドは5年債、7年債、10年債の3本を同時発行する。調達資金は、検体検査の中核施設となる新研究設備の機器やITシステム導入等に充当する。国内のソーシャルボンドはこれまで公益事業やインフラ関連事業等による発行が主で、医療関連事業での発行は初めて。

 

 みらかホールディングスは傘下に、受託臨床検査サービスを提供するエスアールエル社、臨床検査薬や同機器を製造販売する富士レビオ社等を抱える。臨床検査を中 心とした「ヘルスケアグループ」で、臨床検査の上流(検査試薬・機器の開発・製造・販売)から下流 (検査サービス業)までのバリューチェーンを持つ。

 

 同社によると、本業とCSRの融合を図ってグループの社会的価値の向上を目指しており、今回のソーシャルボンドの発行はその一環と位置付けている。発行するソーシャルボンドは、5年債100億円(利率0.150%)、7年債50億円(0.020%)、10年債50億円(0.300%)。

 

新ラボラトリーの完成予想図
新セントラルラボラトリーの完成予想図

 

  新セントラルラボラトリーはグループの中核施設として、東京都あきる野市に建設するもので、総建設費用は約750億円。2021年春に稼働の予定。同施設の必要資金のうち、ソーシャルボンドでの調達資金の大半に相当する95%分を、ラボラトリーの土地と建屋を除く設備投資分に充当する。残りの5%は研究開発事業に振り向ける。

 

 格付投資情報センター(R&I)が、国際資本市場協会(ICMA)のソーシャルボンド原則(SBP)への適合を付与した。野村證券が事務主幹事およびソーシャルボンド・ストラクチャリング・エージェントを務める。

 

  R&Iは、対象事業が目的とする社会的課題について、①日本の社会保障費(医療費)抑制への要請②医療の質を維持しつつ、検査価格抑制への要請③「未病」・検診充実及び先端的医療への対応の必要性④地域における医療充実の必要性⑤災害対応(地震等の災害発生後も止まらない検査施設)⑥先端的医療に資する研究開発の必要性、の6点をあげている。

https://www.miraca.com/ir/

https://www.r-i.co.jp/opinion_social/2019/07/opinion_social_20190718_jpn.pdf

https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/nsc/20191018/20191018.pdf