HOME10.電力・エネルギー |JERA出資の台湾初の洋上風力発電所完成。蔡英文総統も出席して完工式。JERAはさらに追加の風力発電事業にも出資。総投資1000億円規模で原発1基分の風力発電に寄与(RIEF) |

JERA出資の台湾初の洋上風力発電所完成。蔡英文総統も出席して完工式。JERAはさらに追加の風力発電事業にも出資。総投資1000億円規模で原発1基分の風力発電に寄与(RIEF)

2019-11-13 11:24:57

JERA3キャプチャ

 

  東京電力ホールディングスと中部電力の共同出資会社JERAが参加した台湾初の洋上風力発電所「フォルモサ1」プロジェクトが完成、12日、蔡英文総裁も出席して完工式が開かれた。フォルモサは22基の風車で総発電容量は12万8000kW、12万8000戸の家庭の電力需要を賄うことができる。

 

 (写真は、完工式の模様。㊧から3人目が蔡総統)

 

 フォルモサ1は、台湾北西部・苗栗県の洋上に建設中の台湾初の着床式の風力発電設備。すでに8000kW分は、2017年4月に商業運転を開始している。残りの12万kW分も、今年末に商業運転に移行する予定。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)で20年間売電する。

 

JERA2キャプチャ

 

 隣接地域でフォルモサ2のプロジェクトも、建設が進行中。フォルモサ1よりも3倍以上スケールが大きく、合計47基、出力37.6kWの風力発電設備を設置する。2021年末に商業運転に入る予定。JERAは豪マッコーリーから権益譲渡を受け、出資比率49%を保有している。http://rief-jp.org/ct4/94816

 

 フォルモサ1の完工式に出席した蔡総統は「台湾は海外から技術や資金を集め、アジアの洋上風力発電の先駆者となった」と風力発電所の稼働を祝した。同政権は、原子力発電への依存度を引き下げる方針を掲げており、2025年までに総発電容量の7%に相当する約570万kWの発電を洋上風力で確保する考え。

 

 JERAの小野田聡社長は「洋上風力をリードするこの地で多くを学んで成長し、日本など世界に展開したい」と述べた。JERAはフォルモサ2への参画に加えて、その次のフォルモサ3にも約4割分を出資する方向で調整中という。フォルモサ3はさらに規模を拡大し、200万kWと世界最大級の洋上風力になる見通し。

 

jera4キャプチャ

 

 その分、事業費も増大する。フォルモサ1と2の事業費はそれぞれ1000億円、数千億円規模だが、26~30年の運転開始を目指すフォルモサ3は1兆円規模になる見込み。JERAなどはプロジェクトファイナンスで資金を調達する方針という。

 

  一連の投資により、JERAの台湾での洋上風力発電持ち分の総発電容量は約100万kWになる。これは原発1基分に相当する。同社の投資額は1000億円規模に上るとみられている。

 

https://www.jera.co.jp/business/projects/formosa1