HOME8.温暖化・気候変動 |経団連、脱炭素を掲げ、イノベーション推進の「チャレンジ・ゼロ」構想を公表。ゼロ・カーボン技術革新、その実用化、そのための投融資、の3分野への企業の名乗りを要請(RIEF) |

経団連、脱炭素を掲げ、イノベーション推進の「チャレンジ・ゼロ」構想を公表。ゼロ・カーボン技術革新、その実用化、そのための投融資、の3分野への企業の名乗りを要請(RIEF)

2019-12-11 21:47:47

keidanren11キャプチャ

 経団連は9日、経済界による脱炭素社会の実現に向けた積極的な取組みとして「チャレンジ・ゼロ」構想を提唱した。CO2削減のカギを握るイノベーションを推進するため、民間企業の技術開発推進を促すことが目的。COP25でも情報発信するという。

 同日、中西宏明会長が記者会見して明らかにした。温室効果ガスを地球規模で、長期、大幅に削減するカギを握るイノベーショ ンの主たる担い手は民間企業、との認識を示し、「今までの取り組みを説明するだけでなく、企業が宣言し努力していく動きを後押しし、日本の経済界全体の動きに持っていきたい」等と述べた。

「チャレンジ・ゼロ」の3つの選択肢
「チャレンジ・ゼロ」の3つの選択肢

  経団連は構想に賛同する企業に対して、チャレンジする3つの分野を示した。①ネット・ゼロカーボン技術(含む、トランジション技術)のイノベーション② ネット・ゼロカーボン技術の積極的な実装・普及③上記に取り組む企業への積極的な投融資、である。ネットゼロ技術の開発、その実現化、そのためのファイナンスの展開である。

 ①のゼロカーボン技術としては、CO2回収貯蔵・利用や水素活用などの実質排出ゼロを実現する技術の開発や導入の試みを想定しているという。③のファイナンス分野は、グリーンボンドやSDGsボンド等のESG債のほか、グリーンファイナンス市場の発達が見込まれる。

チャレンジ・ゼロの仕組み
チャレンジ・ゼロの仕組み

 「チャレンジ・ゼロ」構想の狙いとして、(1)脱炭素社会の実現に向けたイノベーション創出に向けたチャレンジ(具体的な アクション)を評価するゲームチェンジ(2)ESG投資の呼び込み(3)同業種・異業種・産学の連携や、政府のイノベーション施策・戦略との連携(4)脱炭素社会に向けた移行(トランジション)や、適応・レジリエンスのイノ ベーションの重要性の発信、をあげている。

 経団連は、来年5~7月までに、100~200社程度の参加をとりまとめたい考えという。構想の実現に際しては、日本政府と連携するとしている。経団連はこれまで、温暖化対策では「低炭素」との視点を崩してこなかった。今回「脱炭素」の表現に切り替えた。一歩、前進したとみるか、一歩、追い込まれたか。

https://www.keidanren.or.jp/policy/2019/109.pdf