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外壁・窓で発電できる太陽光発電外装システム、カネカと大成建設が共同開発。高発電効率を維持し、災害時の非常用電源としても活用できる(RIEF)

2019-12-20 20:55:03

kaneka1キャプチャ

 

 カネカと大成建設は、建物の外壁や窓でも発電できる太陽光発電システムを開発した。大成建設の建材一体型太陽電池の設計施工ノウハウと、カネカの住宅分野での瓦一体型太陽電池モジュールを組み合わせた。高い発電効率と、採光・眺望・遮熱・断熱の各機能と意匠性を備え、災害時のBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の機能も果たす、としている。

 

 両社が開発したのは、多機能を備えた外装システム「T-Green Multi Solar」。システムは、太陽電池モジュールを外装パネル化したソリッドタイプと、窓ガラスと一体化したストライプ(縞)状の太陽電池を配置することで透過性を確保したシースルータイプの2タイプ。これらを組み合わせて多様な建物の外装に適用できるという。

 

 温暖化の進展による気候変動の激化で、電力網が途絶する事態が増えている。自前の電源としての太陽光発電に対する需要は企業向け、家庭向けとも増えているが、これまでの太陽光発電システムは、設置スペースが建物の屋上などに限られていた。

 

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 大成建設は、2014年に建設した技術センター内のZEB実証棟で、外壁など外装を利用した太陽電池ユニットを開発・適用し、発電性能の検証・改善などに取り組んできた。ただ、発電効率の向上と意匠性の両立が課題だった。

 

 そこでカネカの技術と融合することで、外壁・窓で発電する多機能で意匠性を備えた外装システムを開発した。カネカのシステムは、結晶シリコン太陽電池モジュールとして世界最高の変換効率24.37%を達成している。

 

 外装材としての耐久性は、一般的な外装材と同等の耐久性を持つ。また太陽光電池が外装材と一体化しているため施工性に優れ、発電を30年以上持続することができる。

 

 両社は、開発したシステムを都市型ZEB(ZEB:ゼロ・エネルギー・ビル)を実現する創エネルギー技術として、環境経営に積極的に取り組む企業、BCPを強化する企業、災害時の活動拠点となる公共施設、LCP(Life Continuity Performance:災害時の居住継続機能)を強化したい集合住宅などに対して提案していくとしている。

https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2019/191219_4837.html

https://www.kaneka.co.jp/service/news/nr20191219-2/