HOME9.中国&アジア |タイの小売業者、1月1日から、店頭でのプラスチック製レジ袋を全廃へ足並みそろえる。年間20%のプラスチック使用量削減目指す。法規制に先行(RIEF) |

タイの小売業者、1月1日から、店頭でのプラスチック製レジ袋を全廃へ足並みそろえる。年間20%のプラスチック使用量削減目指す。法規制に先行(RIEF)

2019-12-27 21:55:24

Thai2キャプチャ

 

 タイの大手スーパーなど75の小売チェーンは、年初の1月1日から、店頭でのレジ袋配布を原則、撤廃する。国内でのプラスチック使用量を20%削減するのが目的。レジ袋廃止は、法規制に基づくものではなく、業者たちが自主的に実行する。法規制でレジ袋有料化止まりの施策しか打てない日本に比べて、業者が自主的に廃止するタイの取り組みのほうが「先進的」といえそうだ。

 

 タイでは年間、450億枚のプラスチック製のレジ袋が使用されている。このうち、最も多いのが地域の市場や街の物売りらが使用するケースで、約4割の180億枚。次いで、一般的な小売店で約3割の135億枚、同じく3割がデパートやスーパー等の大型店で使われているという。

 

 レジ袋撤廃を実施するのは、これらの小売業者がそろって参加する業界団体の「タイ小売業協会」。同協会では昨年、業界全体で月のうち「4」の付く日(4日、14日、24日)について、協会加盟の約2万店が参加して、顧客にレジ袋を渡すのを撤廃する試行的な取り組みを行った。

 

スーパーでの買い物もマイバッグ持参が当たり前に
スーパーでの買い物もリサイクル可能バッグかマイバッグ持参が当たり前に

 

 また2018年12月4日から今年8月31日までの間、自前のショッピングバッグを持参した顧客に対しては、ポイントを還元。結果として、レジ袋の使用量は20億枚減って、全体でも4.6%の減となった。

 

 取り組みに一定の手応えを得たことから、協会では今後の対応を検討した結果、「4の日限定」のレジ袋停止を措置を単純に延長するのではなく、すべての日でレジ袋を廃止する「Every Day Say No to Plastic Bags」キャンペーンにレベルアップすることで合意した。

 

 実はタイ政府は、2028年までにすべてのプラスチックレジ袋の廃止計画を発表している。しかし、タイ小売業協会会長のWorawut Oonjai氏は「政府の計画よりも、われわれのやり方のほうが、はるかに効率的」と胸を張っている。日々、顔を合わせる顧客との関係を踏まえた小売事業者の取り組みのほうが、政府による杓子定規な法規制よりも市民に受け入れられるとの自信だ。

 

 タイの市民、国民の環境意識も高い。タイでは最近、海岸に打ち上げられた死んだジュゴンやクジラ、ウミガメの体内から、プラスチックごみが大量に見つかるケースが相次いでいる。仏教徒が多い同国では、使い捨て文化の見直しや、自然環境の保護意識が比較的浸透し易い風土もあるようだ。

 

 新年からのレジ袋全廃実施に向けて、各小売店は店頭やSNS等を使って、利用者にショッピングバッグの利用を呼び掛けている。ただ、首都のバンコク周辺では、外国人居住者や観光客も多い。このため、自主的な移行措置として、店頭で布や紙製のエコバッグを販売するほか、リサイクル可能なレジ袋を一バーツ(3.5円)程度の寄付と引き換えに手渡す店もあるという。集めた寄付金は環境保護活動に回す。

 

 レジ袋撤廃の例外もある。タイの屋台や食堂で売られている料理等は、袋に入れて持ち帰るのが一般的だ。このため、こうした屋台等は、今回の措置の対象外。レジ袋全廃に参加する小売事業者は「これまでのキャンペーンでも苦情は少ない。消費者にも柔軟に受け入れられると期待している」と楽観的だ。

https://www.nationthailand.com/news/30378996

https://thethaiger.com/hot-news/plastics/75-thai-brands-will-stop-using-plastic-bags-next-year