HOME8.温暖化・気候変動 |独ドイツ鉄道、年初から50km以上の特急運賃を10%引下げ実施。温暖化対策で、自動車・航空機から鉄道への利用を促す。政府の付加価値税減税分を運賃に反映。JR各社も見習って(RIEF) |

独ドイツ鉄道、年初から50km以上の特急運賃を10%引下げ実施。温暖化対策で、自動車・航空機から鉄道への利用を促す。政府の付加価値税減税分を運賃に反映。JR各社も見習って(RIEF)

2020-01-03 15:43:44

Germany1キャプチャ

 

 ドイツ最大の鉄道、ドイツ鉄道(Deutche Bahn:DB)は、新年から50km以上遠くに乗車する場合の特急(Intercity Express)の運賃を、従来より10%割り引くサービスを開始した。温暖化を促進するCO2排出量の多い自動車や航空機から、鉄道利用への切り替えを促すことを目的としたドイツ政府の政策を受けた措置だ。日本のJR各社も見習って欲しい。

 

  気候変動対策を積極的に推進するドイツ政府は、運輸部門でのCO2排出削減対策として、鉄道利用を促進するため、鉄道乗車に課している付加価値税率を従来の19%から7%に軽減した。ドイツ鉄道はこの減税分を長距離鉄道運賃の引き下げに回した。

 

 ドイツ鉄道が長距離運賃を引き下げたのは、17年ぶり。さらに乗客が自転車を同乗させる場合は、特別料金や追加サービスを提供するなど、CO2の少ない移動手段を優遇するという。同社では今回の運賃引き下げで年間約500万人の鉄道利用増を見込んでいる。

 

ドイツをはじめ欧州の主要都市間を結ぶIntercity
ドイツをはじめ欧州の主要都市間を結ぶIntercity

 

 ただ、すべての運賃が引き下げられるわけではない。短距離運賃や、ベルリン、ハンブルグ、ブレーメン、ブランデンブルグ等の市内運賃は引き上げられる。人件費や光熱費の上昇を受けた措置で、いずれも政府の温暖化対策が講じられる前に決まっていたという。市内運賃引き上げ率はボンで2.5%、ベルリンとブランデンブルグは3.3%。

 

 ドイツ鉄道については、スウェーデンの環境活動家のグレタ・ツゥーンベリさんが、スペインで開いた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)に出席後、スウェーデンに帰る際に、陸路利用し、乗員とグレタさんのツィッター上でのやり取りが話題を集めた。https://rief-jp.org/new/97395

https://www.deutschebahn.com/de