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丸紅、中東カタールで、原発一基分の発電容量を持つ大規模太陽光発電事業に参画。総事業費500億円。売電価格は世界最安値更新の可能性(RIEF)

2020-01-20 12:05:27

marubeni12キャプチャ

 

 丸紅は中東のカタールで、原子力発電所1基分に相当する800MWの発電容量を持つ太陽光発電事業に参画したと発表した。総事業費は約500億円。売電価格は1kWh当たり2セント(約2.2円)台前半で、世界の太陽光発電事業でもっとも安くなるとみられるという。

 

 同事業は、カタール初の大規模太陽光発電事業となるアル・カルサ太陽光発電プロジェクトの一環。 政府系電力会社のSiraj Energyが60%を出資、丸紅が20.4%、フランスの電力大手のTotal Solar Internationalが19.6%を出資する特別目的会社が事業主体となる。発電した電力はカタール電力水公社(Qatar General Electricity and Water Corporation:KAHRAMAA)に全量売電する。

 

 これまで世界の太陽光発電の売電価格で最安とされたのはアラブ首長国連邦(UAE)のスワイハン太陽光発電所。今回のカタールの事業はそれをさらに下回るとみられる。スワイハン発電所は総発電量1177MW で、2019年春に完成した。丸紅は韓国のJinkoSolar、アブダビ水電力省(ADWEA)と共同で出資している。

 

 カタールのアル・カルサ発電所の商業運転開始は2022年4月の予定。KAHRAMAA への売電期間は25年間の契約。事業費はプロジェクトファイナンスによって調達する計画。

 

 今回の太陽光発電事業はカタールにとって初の大型太陽光発電事業となる。丸紅の同国での発電事業は、2010年から商業運転を実施しているメサイード・ガス焚複合火力発電事業(2007MW)への参画に次いで、2件目となる。

 

 丸紅は、世界19カ国で持分容量11.5GW超の発電資産を保有している。中東地域では、 UAEのスワイハン太陽光発電事業のほか、オマーンでもアミン太陽光発電事業(105MW)に参加している。

 

 今回のカタールの案件は同社にとって3件目の大型太陽光発電事業になる。同社は「これらの中東での知見を活かし、今後、同地域での大型太陽光発電事業にさらに参画するとともに、同地域での電力の安定供給にも貢献していく」とコメントしている。

 

https://www.marubeni.com/jp/news/2020/release/20200120J.pdf