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ユーグレナ社のバイオ燃料製造実証プラント導入技術。国際規格ASTMの新規格を取得。今年8月にも、国産バイオジェット燃料でのフライト実現へ(RIEF)

2020-01-31 21:08:29

Eugrena1キャプチャ

 

 藻類のミドリムシから製造した航空機向けのバイオジェット燃料を開発しているユーグレナ(東京)は31日、同社の燃料製造技術が国際規格のASTM D7566の新規格を取得した、と発表した。新規格取得により、同社が製造したバイオジェット燃料は、民間航空機に搭載可能な燃料として国際的に認められたことになる。ミドリムシのバイオジェット燃料が国際規格を取得したのは世界で初めて。

 

 (写真は、横浜にあるユーグレナのバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント)

 

 ASTM規格は米国のASTMインターナショナルが定める国際規格で、バイオ燃料としては、これまでサトウキビなどを原料にした5つの燃料が同規格を取得しているが、ミドリムシを原料としたジェット燃料は今回が初めて。サトウキビを原料とするものは、すでにドイツのルフトハンザ航空などが使用するなど、世界20カ国で計20万回飛行しているという。

 

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 ミドリムシ原料のバイオ燃料は、ミドリムシと食品の廃用油を混ぜて作る。ミドリムシは光合成の原理と同じで、水と太陽光があれば培養できる。このため、サトウキビなどの栽培よりも容易に活用できる。光合成の過程でCO2を吸収するため温暖化対策になる。

 

 ユーグレナは、2018年10月31日に横浜市鶴見区の京浜臨海部に、国内初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを建設した。同事業の実用化に向けて、横浜市、千代田化工建設、伊藤忠エネクス、いすゞ自動車、全日空、ひろしま自動車産学官連携推進会議の各社・機関がサポーターとして『GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)』を宣言している。

 

 横浜の実証プラントでは、ジェット燃料を最大で年間125㎘作れる。同社ではさらに、従来のジェット燃料に比べてCO2排出量が50%削減できるバイオ燃料の商用プラントを2025年までに完成させる計画だ。稼働すれば現在の2000倍の生産能力を持つ。

 

 同社は8月にも開発したミドリムシ原料のジェット燃料を実際の航空機への導入を目指す。実際にどの航空会社の航空機に燃料を供給するかは、現時点では公表されていない。ただ、実証プラントのサポーターには全日空が名を連ねている。

https://www.euglena.jp/news/20181102-2/