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電気事業連合会会長、経産省の非効率石炭火力発電の大幅休廃止方針に「条件付き」を強調。雇用対応や地域性を考慮して判断と指摘(各紙)

2020-07-20 12:07:53

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 各紙の報道によると、電気事業連合会の池辺和弘会長(九州電力社長)は先週開いた定例会見で、経済産業省が非効率の石炭火力発電所を2030年までに休廃止する方針を示したことについて「制度設計に協力してきたい。ただ、地域地域で特色があり、全国一律に適用するのは難しい。安定供給の役割を全うしながら地域に即して進める」と述べ、雇用対応、地域の状況次第では非効率な発電所の維持もあり得るとの考えを示した。

 

 (写真は、記者会見する池辺電事連会長)

 

 日刊工業新聞等が報道した。経済産業省は今月初め、CO2排出量が多く、温暖化を加速する石炭火力発電所のうち、1990年代前半までに設立した非効率な発電所を、2030年度までに段階的に休廃止する方針を打ち出した。国内にある140基の石炭火力発電のうち7割相当の約100基が該当する。一方で、超々臨界圧火力発電(USC)などの高効率な発電所は維持・拡大するとした。

 

 これに対して池辺会長は、「石炭火力は、第5次エネルギー基本計画で、今後も一定程度活用していく電源として整理されている一方で、非効率なものは、フ ェードアウトに取り組む方針が示された。今後は、安定供給面での 位置付けはもとより、雇用や立地地域への影響などを考慮しながら(フェードアウトの)検討を進め ていく必要があると考えている」と述べた。

 

 特に発電所の休廃止の検討に向け、「地域の安定供給に貢献している旧一般電気事業者の経営に影響が出る制度ではいけない」と指摘。「地域の特性を主張し、制度設計に協力していく」として、経産省方針を一律適用する考えではないことを強調した。

 

 経産省の100基休廃止方針に対して、「ケースバイケース」の判断を盛り込む考えを示したといえる。東北電力の樋口康二郎社長も電事連の定例会見後に会見し、石炭火力の扱いについて「フェードアウトの対象やスケジュールがすべて決まったわけではなく、これから議論に入る。電力の安定供給や地域経済への影響も含めた議論を踏まえ、見極める」と述べた。

 

 CO2排出量の多い石炭火力による温暖化の加速については、「電力業界全体として地球温暖化問題の解決はコンセンサスがある。大きな方向性に温度差はない」として、電力業界全体として石炭火力を一定程度維持していくことで温暖化対策に対応できるとの考えを示した。

 

 温暖化対策に貢献する再生可能エネルギー対応では、洋上風力発電の主力電源化を政府・業界とも強化している点に触れ、「(洋上風力には)大きなポテンシャルがある。着床式はめどがつくと思うが、浮体式はチャレンジング」と持論を述べた。

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00565051?isReadConfirmed=true

https://www.denkishimbun.com/archives/67656

https://www.fepc.or.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2020/07/17/kaiken_20200717.pdf