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環境省、主要新聞・雑誌記事等の無断コピーを8年間も継続。昨年も著作権の無断使用問題引き起こす。改まらない役所の著作権軽視の姿勢(各紙)

2020-10-24 15:18:51

MOE001キャプチャ

 

 各紙の報道によると環境省は23日、主要な新聞や雑誌など計91媒体の記事を約8年間にわたって、無断でコピーし、職員にメール配信していたことを公表した。発行元から利用許諾を得ないまま、多数の職員にクリッピングした記事を電子メールで共有していた。同省は新聞社や雑誌社に対し、これまで使用した記事の使用料を支払うという。同省は昨年も著作権の無断使用問題を起こしている。

 

 東京新聞等が報道した。それによると、無断でコピーしていたのは、同省環境再生・資源循環局と、出先の福島地方環境事務所。2011年の東日本大震災以降の除染などに関する記事を、少なくとも2012年1月から今年6月まで、各メディアに掲載された「除染」「指定廃棄物」などのキーワードを含む記事を、委託事業者がコピーしてPDFデータ化して、関連部署の職員に日常的に送付していたとしている。

 

 同省はこれまで、各メディアの情報については、同省大臣官房総務課が各社と契約を結んで、毎月一定数のコピーと配信の許諾を得ているが、今回発覚した2部署では、省全体の作業とは別に、独自にコピー等の作業を行って関係する同省の各部署に配信していた。

 

 配信先は7月16日までの期間に延べ計2717人(推定)あり、記事本数は計約6万4000本(同)に及ぶ。6月に作業を実施していた福島地方環境事務所内で、著作権に関わるのではないかとの疑義が生じ、確認したと説明している。同省は「部署で報道を速やかに把握すために始めた。職員の著作権法への認識が不足していた。(職員への)再教育を徹底する」と述べたという。

 

 同省は2019年7月に、土用の丑の日を前に、環境省が公式ツイッターで「食品ロスにならないよう(ウナギを)大事にいただきましょう」と、絶滅危惧種のうなぎを食べることを推奨して批判を受けたが、その際、使用した画像は、飲食店検索サイト「ぐるなび」からの無断転用だった。環境省は「著作権侵害に当たり得る行為で、深くおわびする」と謝罪している。

 

 一方で同省のHPでは、HPに掲載するコンテンツについて、「第三者(国以外の者)が著作権その他の権利を有している場合があります。第三者が著作権を有しているコンテンツや、第三者が著作権以外の権利(例:写真における肖像権、パブリシティ権等)を有しているコンテンツについては、特に権利処理済であることが明示されているものを除き、利用者の責任で、当該第三者から利用の許諾を得てください」と著作権侵害が起きないよう、外部に要請している。https://www.env.go.jp/mail.html

https://www.tokyo-np.co.jp/article/63937?rct=national

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20201024&ng=DGKKZO65393240T21C20A0CR8000