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S&P 日本国債 格付け引き下げも(NHK)

2011-04-27 14:14:01

4月27 日:アメリカの大手格付け会社「スタンダード・アンド・プアーズ」は、東日本大震災や東京電力福島第一原子力発電所の事故で、日本は今後も財政状況の悪化が予想されるとして、日本国債の信用度を示す「格付け」を将来的に引き下げる可能性があるという見通しを明らかにしました。


発表によりますと、スタンダード・アンド・プアーズは、日本政府が発行する長期国債の先行きを評価する「格付け見通し」についてこれまでの「安定的」から、将来的に格付けを引き下げる可能性がある「ネガティブ」に改めました。この理由について格付け会社は、日本は震災や原発事故による被災地の復旧や復興で、20兆円から50兆円の費用が必要になることが見込まれるとして、今後も財政状況の悪化が予想されるためとしています。一方で、日本政府の国債発行が直ちに困難になるような状況は考えにくいとしていますが、財政悪化を食い止める財政再建策が打ち出されない場合などには格付けを引き下げる可能性があるとしています。スタンダード・アンド・プアーズは、現在、日本の長期国債の格付けを21ある段階のうち、上から4番目の「AA-」としています。日本国債の格付けの先行きを巡っては、アメリカの大手格付け会社「ムーディーズ」が震災前のことし2月、将来的に引き下げる可能性があるという見通しを明らかにしています。

アメリカの大手格付け会社が日本国債の格付けを将来的に引き下げる可能性があるという見通しを明らかにしたことについて、野田財務大臣は、記者団に対し、「民間格付け会社の格付けについて、逐一コメントすることは控えたい。ただ、政府としては、大震災の復旧と復興に全力で取り組んでおり、このことと、財政健全化の両立を図ることが大事だ。あす4兆円規模の第1次補正予算案を国会に提出するが、追加的に国債を発行せずに、財源を確保するなどの努力をしており、今後も、基本的にはこういう姿勢で臨んで、内外の経済や財政に対する信認を確保していきたい」と述べました。