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東京・世田谷区、青森・弘前市の「雪国対応型太陽光発電」の電力を区民に提供(RIEF)

2018-05-03 15:19:35

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 東京都世田谷区は青森県弘前市で稼働する「雪国対応型太陽光発電」の電力を、区民が購入できる仕組みを導入する。週明けに、弘前市と「連携・協力協定」を結び、世田谷区を拠点とする新電力ベンチャー「みんな電力」を通じて区民に売電する。世田谷区が地方の自治体と再生可能エネルギー電力の調達で連携するのは4例目。

 

   弘前市は2013年3月に策定した「弘前型スマートシティ構想」に基づき、太陽光発電や地熱発電など、再エネ電力の導入促進をはじめとする、エネルギーの自律に向けた各種プロジェクトに取り組んでいる。ただ、弘前市や岩木山周辺では時として豪雪に見舞われることがある。

 

 そこで弘前市と太陽光発電事業者の「ひろさきアップルパワー」社は、積雪対策の実証実験に取り組んできた。まず、発電場所は埋め立て処分地後を選定。太陽電池モジュールには耐積雪仕様製品を使用し、架台も耐積雪仕様として、高さ約1.8m、パネル傾斜30度のものを採用。太陽電池モジュールの結線を、3基を1グループとして上段・中段・下段を接続することで発電効率を上げるなどの工夫をした。

 

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 2015年度の実証実験では、積雪を考慮して1月から3月の計画発電量をゼロとして試算し、その上で発電を行った。その結果、積雪の多い場合でも発電できない影響は2.5~3.5%程度にとどまり、積雪による影響は極めて限られた。積雪状態は監視カメラで監視及び記録し、状況に合わせてパネル面の雪の除去を行うが、同年度中に除去作業を実施したのは、1.8mの積雪があった際の1度だけだった。

 

 パネル枚数は約6900枚、発電出力は1500kW、想定発電量は約140万kWhで、一般家庭の約400世帯分の消費電力をまかなうことができる。総事業費4億円。

 

 世田谷区は、各地の再エネ発電を支援するとともに、区民に再エネ電力を手軽に利用できる環境を提供する行政を展開している。昨年は長野県と組み、現地の水力発電所から区立保育所に給電し電気料金を下げる事業を始めたほか、群馬県川場村とは木質バイオマス発電の電力を区民に融通する取り組みも進めている。

 

 今回の弘前市との連携は、そうした地域再エネ連携の一環だ。5月15日から6月8日までの間、まず50世帯分を対象に募集する。一般般家庭のピーク時の最大使用電力と見込む1lW程度を各世帯に供給する。電力の融通を通じて地域間連携も進める。区民を対象に弘前市内の発電所の見学会などを開き、住民の交流を図る。

 http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/102/126/829/d00159534.html

http://www.city.hirosaki.aomori.jp/jouhou/keikaku/2016-0729-1258-50.html