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米カリフォルニア州、新築住宅に太陽光発電設備の設置を義務付け。2020年1月から実施。全米で初めて。設置費用増は、光熱費削減でカバー可能に(RIEF)

2018-05-10 16:58:47

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 米カリフォルニア州は9日、温室効果ガス削減策を推進するため、すべての新築住宅に太陽光発電の設置を義務付ける基準を2020年1月からスタートさせると公表した。住宅への太陽光発電義務付けは米国の州としては初めて。この措置により、ガソリン車に換算して年間11万5000台分のCO2排出削減が実現する。

 

 新規制は、カリフォルニア州エネルギー委員会(CEC)が発表した「2019年建物エネルギー効率化基準(Building Energy Efficiency Standards」に基づく。今回の新しい建築基準は全会一致で採択された。

 

 新規制は、4つの分野からなる。①スマート住宅用太陽光発電システム②断熱外皮基準③住宅用・非住宅用空調基準④非住宅用照明基準、である。空調基準は住宅所有者を室外の大気汚染と室内の空気汚染源の両方から保護するためのもので、室内空気品質の改善基準を定めている。また、新築住宅について健康管理面(ヘルスケア)の基準も初めて導入した。

 

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 州の計画によると、住宅所有者は30年の住宅ローンを借り入れるとして、新規の太陽光発電導入等のコストで、月々の住宅ローンの支払い額は約40㌦(約4400円)増えると推計される。その一方で、太陽光発電によって、毎月の光熱費は80㌦(約8800円)削減できるため、差し引き、プラスになるとしている。また非居住用建物は、新規の照明規制等によって、エネルギーの使用率が約30%削減される。

 

  CEC・CommissionerのAndrew McAllister氏は「今回の新規基準によって、カリフォルニアの建物はかってないほど効率的になる。さらに各家庭での発電量が増え、電力網の信頼性を高めることにもなる。運営コストは下がり、室内空気環境の改善と、エネルギー供給の安定、さらにCO2排出量の削減により、低炭素社会に向かって歩を進めることになる」と評価している。

 

 新たな規制は、家庭用の太陽光発電市場を加速することになる。パネルメーカーなどのほか、建設に従事する工事業者、メインテナンス業者など、地域の中小の工事業者などにとってもプラスの効果が期待される。 カリフォルニア建物産業協会(California Building Industry Association)のCEOで代表のDan Dunmoyer氏は「過去1年半にわたってCECは建設産業とともに新規規制を効率的にデザインしてきた。住宅の質の改善とともに、住宅所有者は、初期投資費用をマイホームに居住する期間中に十分に回収できる仕組みができた」と指摘している。

 

http://www.energy.ca.gov/releases/2018_releases/2018-05-09_building_standards_adopted_nr.html