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農林水産省、ソーラーシェアリング促進のため、農地の一時転用期間を3年から10年に延長。支柱の高さは2m以上に(RIEF)

2018-05-22 08:11:47

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 農林水産省は、太陽光発電事業と農業を両立できる営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)を普及させるため、現行の農地転用許可制度の取り扱いを改め、条件付きながら一時転用期間を3年から10年に広げた。

 

 農地は長い間、法律的に農業以外の利用ができないことになっていた。それを2013年3月に、一定の条件を満たせば、一時的に転用が可能な指針が示された。ただ、転用期間は3年に限定され、以降は営農に問題が無ければ再許可する仕組みだった。このため、ソーラーシェアリングに適した農地の場合でも、事業の将来性が不安定なことが障害になっていた。

 

 今回の規制緩和は、一定の条件を満たす場合には、転用期間を3年から10年に延長できる、とした。その条件は、① 担い手が所有または利用権等を設定してい る農地で、当該担い手がソーラー設備の下部の農地で営農する場合② 農用地区域内を含め荒廃農地を活用する場合③ 農用地区域以外の第2種農地又は第3種農地を活用する場合ーーの3点。

 

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 この条件に該当しない場合は従来通りの3年単位となる。さらに、3条件がそろう適地でも、農業機械等を効率的に利用するため支柱の高さが2m以上確保する、周辺農地の効率的な利用等に支障を及ぼすおそれがないこと、毎年1回報告する、などの対応を求めるという。

 

 毎年の利用報告は、ソーラー設備の下での営農で収穫した農作物の単収及び地域の平均的な単収、 農業に知見を有する者の所見等を地方農政局に提示する。

 

 今回の規制緩和に際して農水省は、2016年3月末までに許可を得て営農実施を行っている全国の775件のソーラーシェアリングの実施状況を調査した。その結果、下部農地での営農に支障があった事例の発生割合は、担い手が営農する場合で6%、担い手以外が営農するもので31%、荒廃農地を活用した場合で約30%などとなっていることがわかった。

 

稲作にも活用
稲作にも活用

 

 こうした調査結果を踏まえて、今回の転用期間の延長の対象となる適用農地の条件を絞り込んだとしている。農水省は国内のソーラーシェアリングの優良事例や、事業を開始するために必要な営農計画、発電事業などに関するチェックリストなども公表している。

 

http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/r_energy/180515.html

http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/r_energy/attach/pdf/180515-1.pdf