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環境省、いわくつきの「福島汚染土壌」約10kg分、省内保管のはずが、いつの間にか「紛失」と明かす。意図的な廃棄か(?)(各紙)

2018-08-15 23:28:39

nakagawaキャプチャ

 

 各紙の報道によると、環境省は、2011年3月の東京電力福島第一原発事故後に、福島県内から東京・霞が関の同省に送付された放射性物質で汚染された土壌約10kg分を、「誤って紛失した可能性が高い」と発表した。同汚染土は、当初、同省職員が無断で投棄し、その後回収されたいわく付き。回収後は厳正保管していたはずだが、本当に誤って紛失したのか、疑わしい、と言わざるを得ない。

 

 (写真は、「不適切な管理」を認めた中川雅治環境大臣。「謝る」だけで済ませるの?)

 

 事故が起きた福島県内での除染などで回収した放射性物質で汚染された土壌については、同省は民間事業者等に対して、厳正な管理を要求している。だが、自らが保管してきた汚染土壌については、再三の不適際が明らかになるお粗末さだ。

 

 行方不明となった放射性物質で汚染された土壌は、2011年11月に、「福島県福島市」の差出人名で、二度に分けて宅配便で同省に送付されてきた段ボール入りの土壌。いずれもビニール袋に線量計を接触させて測定したところ、一時間当たり0.6μSv(マイクロシーベルト)の放射性物質を検知していた。

 

 1件目の汚染土壌については、同省官房総務課職員が、埼玉県の自宅に持ち帰り、自宅でいったん保管し、翌日曜日に、自宅近くの空き地に処分。一週間後に、同職員が回収して同省に持ち帰ったとしている。いったん、無断で放棄したことになる。

 

 その後、汚染土壌は省内のスチール製収納ケース内に施錠する形とした。その後、その所在は、総務課長室、大臣官房総務課、会計課の書庫、合同庁舎 5 号館地下2階車庫周辺の保管スペース等と、転々と移動させたが、一貫して同省内にとどめてきたという。

 

 ところが、同物質の保管について、今月上旬、報道機関からの問い合わせを受けて所在を確かめたところ、紛失していたことが判明したと回答した。同省のその後の調査で、ケース内に汚染土があることを知らない同省職員が今年1月に廃棄処分を業者に委託し、持ち出されて処分された可能性が高まったという。

 

 中川雅治環境大臣は14日、「今回のように、不適切な管理により誤廃棄の可能性が生じたことは、まことに遺憾」とコメントを発表。「福島の皆さまをはじめとして東日本大震災からの復興に取り組まれている多くの関係者の皆さま、国民の皆さまの環境省に対する信頼を大きく損なうことになってしまいましたことについて、深くお詫び申し上げます」とした。

 

 放射性物質による汚染土壌についての最終的な処分方法がまだ決まっていない。この点でも環境省は本来の政策責任を果たしていないままといえる。除染について定めた法令では「みだりに捨ててはならない」としている。

 

http://www.env.go.jp/press/105870.html