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神戸市、事業用太陽光発電設備について、防災面からの規制を求める条例制定へ。災害対策を厳格化。既存の設備にも適用。2019年度の実施目指す(各紙)

2018-08-24 12:41:17

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 各紙の報道によると、神戸市は事業用の太陽光発電設備の設置について、防災面から規制する条例を制定する方針だ。今年7月の西日本豪雨で、太陽光パネルを設置したのり面が崩れて被害が出たことに対応する。出力10kW以上の市内の施設を対象に、届け出を義務付ける。太陽光発電に特化した規制条例は政令指定都市で初めて。2019年度の早い時期の施行を目指す、としている。

 

 この夏の西日本豪雨の影響で、各地で太陽光発電設備が被害を受けた。兵庫県姫路市林田町でのパネル崩壊現場(上の写真)では、地盤が幅約60m、長さ約60mにわたって、太陽光パネルもととも崩れ落ちた。 

 

 規制条例は12月議会での成立を目指す。主な内容は、設置許可を要する区域を指定し、一定の斜度を有する区域など防災や、住居系地域、新幹線の近傍など交通インフラ、緑地・農地など自然環境に、特に大きな影響を及ぼす可能性のある太陽光発電施設等の設置にあたっては市長の許可対象とする。

 

条例案を発表する久元神戸市長
条例案を発表する久元神戸市長

 対象となる規模要件等は今後検討する。既に設置している太陽光発電設備についても、事業者に対して、設備の管理状況の報告を義務付ける。事業終了後の設備撤去の対策も盛り込む。建築物の屋根や工場の敷地内などに設置されるものは除く。

 

 設置許可に際しては、防災の措置(地盤の安定性・勾配など)、安全性の確保(太陽発電の脱落等の防止)、景観調和や緑地の保全、廃止後の措置などの観点から設置に関する許可基準を定める。認可に際しては、これらの基準の遵守を確認する。

 

 また災害防止、自然環境保全の観点から太陽光発電施設等の設置が不適当な区域(設置禁止区域)も設ける。

 

 現在の兵庫県の条例では、事業区域の面積が5000㎡以上の太陽光発電施設を対象とした届け出制をとっている。また、神戸市の環境アセスメント制度も、比較的大規模な太陽光発電施設の設置のみが対象になっている。

 

 久元喜造市長は、「現状では法令の規制は不十分で対策が必要」不十分」だとし、自治体として、防災上、自然環境・景観の保全、生活環境の保護の観点から、小規模な太陽光発電を対象とした条例の制定を目指すと、している。

 

 神戸市の場合、2012年に太陽光発電の固定価格買い取り制度(FIT)が始まって以来、市内で設置された太陽光発電設備の総出力は2016年度時点で18万kWと13年度に比べ約2倍に増えている。この中には、設置場所に問題があるものや、メインテナンスが不十分なものなどもあるという。

http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2018/08/20180822195101.html

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