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日立製作所、英原発建設計画の正式中断を表明。東原敏明社長「経済合理性の観点から」と説明。日本の原発海外輸出事業はすべて行き詰まり(各紙)

2019-01-18 00:10:59

hitachi11キャプチャ

 

 各紙の報道によると、日立製作所は17日、英中西部のアングルシー島のWylfaで進めてきた原発建設計画を凍結し、事業を中断すると発表した。東原敏昭社長兼最高経営責任者(CEO)は凍結理由を「経済合理性の観点からすると、諸条件の合意には想定以上の時間を要すると判断した」と説明した。安倍政権が主導してきた原発海外輸出戦略は、日立の断念ですべて行き詰まったことになる。

 

 同計画に関連する資産価値の下落で、2019年3月期に約3000億円の損失を計上する。原発計画からの事実上の撤退は、同日開いた取締役会で決定した。着工の条件としていた他社からの資金協力が得られず、英政府による早期の支援拡大も見込めないため断念した形だ。

 

 現地子会社は残すが、担当する従業員は減らす。これまで工事の準備や許認可などのために計3000億円弱を投じていた。損失の計上により、19年3月期の純利益見通しは従来の4000億円から1000億円に引き下げる。

 

 英国政府との協議は今後も続ける、としているが、これは一方的に打ち切ると「英国政府に対し巨額の違約金が発生する可能性がある」(交渉関係者)との懸念もあるためという。

 

 東原社長は記者会見で、計画再開の可能性について問われ、「これ以上の投資はしない。もし再開となればゼロベースで費用を計算する必要がある」と述べる一方で、完全撤退については「選択肢としてはある。適切な時期に判断したい」と述べた。

 

 また同社の原発事業の先行きについて、今後、原子力関連の人材をどう維持するのかと問われ、「(このままでは)事業を計画して、設計する上流段階の人材が不足していく。他のメーカーと一緒に人材を確保したい」と、原発関連各社との連携強化をにじませた。

 

 日本の原子力産業の先行きについては「国民を含めた議論が必要。(原発を)より安全な発電所にして、経済的にもっと安い電気で企業経営がなされるべきだ」と語った。

https://this.kiji.is/458560082793858145?c=39546741839462401

https://article.auone.jp/detail/1/3/6/11_6_r_20190117_1547732231733886