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横浜市、2050年の「CO2排出ゼロ」に向けて、東北12市町村と、再エネ電力融通を柱とした「広域地域循環共生圏」づくりの連携協定を結ぶ(RIEF)

2019-02-07 13:02:14

yokohama1キャプチャ

  横浜市は6日、東北地方で発電した太陽光や風力などの再生可能エネルギー電力を同市に融通してもらう連携協定を、東北12市町村と締結した。横浜市は2050年にCO2排出量実質ゼロの目標を掲げており、その達成の一部に活用する。都市部と発電地方が広域連携をする例としてはこれまでで最大規模となる。

 

 協定を結んだ東北12市町村は、青森県横浜町、岩手県久慈市、二戸市、葛巻町、普代村、軽米町、野田村、九戸村、洋野町、一戸町、福島県会津若松市、郡山市の12市町村。横浜市は昨年10月に改定した「横浜市地球温暖化対策実行計画」で、脱炭素実現に向けた「Zero Carbon Yokohama」を掲げており、今回の再エネ提携も同計画に資するものと位置づけている。

 再エネ電力確保のための都市の自治体と、地方の自治体の連携は、これまでも東京都世田谷区と青森弘前市、東京都港区と福島県白河市・山形県荘内町などの例がある。今回は地方自治体側が12市町村と広域であることが特徴だ。

 12市町村の中には、自治体主導で新電力会社を設立して、積極的にエネルギーの地産地消を進めているところもある。青森県横浜町は、町営の発電会社が14基(合計32.2MW)の風力発電を経営している。4月には別途、企業主導の風力発電12基(合計43.2MW)の建設工事が始まるなど、2021年には、町内の年間電力消費量の10倍もの再エネ電力を「生産」できる体制となる。

 

 連携協定の主な内容は、①再エネの創出、導入、利用拡大②脱炭素化の推進を通じた住民・地域企業主体の相互の地域活力の創出③再エネおよび地域循環共生圏の構築に関する国等への政策提言ーーなどとしている。

 連携する12市町村が保有する再エネ発電ポテンシャルは、現在の横浜市の年間電力消費量約160億kWhに対して、4倍以上の750億kWhと推計されている。横浜市内で今後、再エネ開発を進めても、現在の電力消費量の約10%しか自前では確保できない。

  豊富なクリーン電力潜在力を持つ東北自治体と連携することで、横浜市の「CO2排出ゼロ」は可能になる見通しがつく。一方の東北各自治体は、地元での発電事業の持続可能性を高め、雇用機会を維持できるなどのメリットを得ることができる。広域な地域循環共生圏が出現することになる。

 協定発表に参加した、青森県横浜町の野坂充町長は、「大都市の横浜市にエネルギーを供給することで、企業や人の交流が盛んになればいい」と期待のコメントを述べた。岩手県久慈市の遠藤譲一市長も「今後は地産地消を上回る再エネを生産し、地域振興策の柱にしたい」と語った。

http://www.city.yokohama.jp/ne/news/press/201902/20190206-043-28987.html