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国際人権連盟、監獄人権センターが連名で、カルロス・ゴーン被告の長期拘留問題で声明。「日本の司法制度の深刻な欠陥を示すもの」(RIEF)

2019-02-20 15:13:52

gone1キャプチャ

 

 国際人権連盟(FIDH:本部パリ)と国内のNPO法人「監獄人権センター(CPR)」(東京)は20日、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告の勾留が日本の司法制度の「深刻な欠陥」を示しているとして、日本政府に制度の改革を求める声明を公表した。

 

 国際人権連盟は、1922年設立で、非政府の人権団体の国際的連合体。100カ国以上で178の加盟組織を抱える。不偏不党、特定宗教に属さず、各国政府からも独立した組織。世界人権宣言、国際人権規約、経済的・社会的・文化的権利に関する国際規約に定めるすべての権利の尊重を促進することを目指している。CPRは日本での加盟団体。

 

 CPRキャプチャ

 声明では、日本の司法制度は起訴前の長期勾留を可能とし、取調べ中に弁護士の援助を受ける権利の否定、恵司施設での拘禁状況を続けており、これらは過去10数年来にわたって、国際的な人権団体が問題視してきた、日本の刑事司法制度が抱える深刻な課題だと指摘している。

 ゴーン被告は、昨年11月19日に、金融商品取引法違反など3つの容疑で逮捕され、起訴されている。逮捕以後、何度か保釈申請を行ったもののいずれも却下され、現在まで勾留状態が続いている。

 この点に関連して、2014年8月に国連規約人権委員会が、日本政府の代用監獄(代用刑事施設)制度の廃止と、起訴前保釈のような拘留代替措置や、取調べ中に弁護士の援助を受ける権利を保障するよう勧告しているほか、2013年には国連拷問禁止委員会が、日本の司法制度での被告人の自白(しばしば弁護士のいない状態でなされる)への過度の依存に懸念を示してきたことを記載。

 

 さらに同委員会は、日本の拘禁条件を改善するために、国際的に「マンデラ・ルールズ」として知られる国連の被拘禁者処遇最低基準規則への適合を勧告している。しかし、日本政府はそうした措置をとらず、「(被告人は)人間の尊厳に対する尊重とは相容れない不合理に制限的な所内規則のもとに置かれている」と批判。これらの対応は、日本政府が批准している国際人権(自由権)規約で日本政府が果たすべき義務と一致していない、と強調している。

 

 CPRは「塀の中にも人権がある」との活動を展開している。田鎖麻衣子事務局長は、「取調べ中に弁護人の援助を受ける権利の否定、起訴前の長期勾留、そして刑事施設における拘禁状況は、日本の刑事司法制度を非常に長期にわたって特徴づけてきた深刻な問題の一部を明らかにしている」と述べている。

 http://www.cpr.jca.apc.org/archive/statement#1230